入出力端子に送信器を取り付けたストリングに連なる太陽光パネルに受信器を近づけると、光と音によって受信器が反応する。違うストリングに連なるパネルの場合には、受信器が反応しない。

 二つ目は、不具合パネルや、パネル内の断線などの特定である(図6)。複数のセル(発電素子)を直列で接続したクラスタ単位の不具合や、セル間を接続する配線であるインターコネクタの断線などが生じている場所では、受信器が反応しない。また、バイパスダイオードに不具合のある場合も検出できる。

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図6●太陽光パネル内の断線部やクラスタ故障部を特定
磁界を活用して検出。不具合や断線部では受信器が反応しない(上)。逆に、遮光したセルに対して受信器が反応した場合、バイパスダイオードが故障している(下)(出所:戸上電機製作所)
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 三つ目は、パネルそのものは正常ながら、パネル間の接続に生じている不具合の発見である(図7)。I-V特性測定装置による開放電圧の測定で、「0」を示したストリングがあった場合、この不具合を疑う。

図7●太陽光パネル間の断線や導通不具合も検出
電界を活用して検出。不具合箇所では受信器が反応しない(出所:戸上電機製作所)
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 パネル間の接続部付近に受信器を近づけると、正常の場合は受信器が反応するが、パネル間の接続が断たれている場合には、受信器が反応しない。パネル間を接続する電線の断線、接続部となるコネクタの接続の不具合などが原因となる。

 故障パネル特定装置「セルラインチェッカ」は、配線網の断線や漏電の検査装置「スーパーラインチェッカ」がベースになっている。産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センターの加藤和彦上級主任研究員が、スーパーラインチェッカを太陽光パネルの不具合検知に応用し始めたのを機に、同社がパネル向きに改良を加えて製品化したという。

 他の類似する装置に比べて、直列・並列の接続状況に関係なく特定できること、複数の不具合があってもそれぞれの断線や接続不良の箇所を特定できること、日射や影の影響を受けにくく正確に特定できることも利点としている。

 また、屋根上に設置されたパネルの場合、裏面を見ることは難しい。パネルの表面付近に受信器を近づけるだけで、容易に検査できる利点がより生きるとしている。