4本のストリングの比較で容易に把握

 戸上電機製作所は、高圧用の開閉器をはじめ、配電線向けの機器を主に手掛けている。その知見やネットワークを活用し、太陽光発電向けの不具合特定装置を開発・販売している。

 不具合の生じたパネルを含むストリングの特定には、I-V特性の測定装置「ストリングトレーサ」を使う(図2)。接続箱のブレーカーの入力側端子に接続して使う。

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図2●接続箱からI-V特性を測定
I-V特性測定装置(左)、接続箱のブレーカーの入力側端子に設置した様子(右)(出所:戸上電機製作所)

 I-V特性の測定装置は、太陽光発電で先行したドイツなど欧州で普及が先行し、国内で固定価格買取制度(FIT)が開始した後、それらの海外製機器が日本でも使われ始めた。また、使い勝手などを向上した国内メーカー製の装置も開発・販売されている。

 戸上電機製作所のI-V特性測定装置の利点は、4本のストリングを同時に測定し、一つの画面内に特性グラフを重ね合せて表示できる点にある(図3)。4本のストリング分を比較できることから、電圧や電流に異常のあるストリングのI-Vカーブが、ひと目で把握できる。

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図3●4本のストリングの差がひと目でわかる
測定結果の表示(上)、測定の概要(下)(出所:戸上電機製作所)

 これに対して、他社の同様の装置では、1本または2本のストリングを同時計測・表示している。このため、ストリング間の比較によって異常を特定することが難しかった。

 さらに、日射が電流に、気温が電圧に影響するために、もしI-V特性に異常がある可能性がわかったとしても、特性値が異常かどうかを判断するために、日射計と温度計のデータの裏付けが必要になる。この裏付けは、パネルメーカーが要求する。

 戸上電機製作所のI-V特性測定装置の場合、4本のストリングを比較して異常の有無を判断するために、相対的に異常を特定しやすく、さらに、同じ日射と気温で発電中のストリング間の比較による異常検出のために、パネルメーカーに指摘する際に、日射計や温度計のデータを反映させる必要がないという。

 また、測定の速さも利点としている。他社の装置が1本のストリングを計測するのに数十秒を要するのに対して、同社の装置は1秒未満と短く、4本のストリングの計測から表示まで、約12秒で完了するという。