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パネル単位で不具合を特定、ICや通信の検出手法を応用(page 4)

福岡のベンチャーが製品化、台湾や中国にも拡大

2018/04/18 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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大手EPCがO&Mサービスに採用

 システム・ジェイディーでは、これらの技術を新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の開発プロジェクトを活用しながら開発してきた。2009年に開発に着手した。

 2008年夏のリーマンショックによる半導体不況により、ICのテスト関連事業では、半導体メーカー向けの開発やライセンス供与の停止などが相次いだ。そこで、それまで培ってきた技術を生かし、新市場の開拓に取り組み始めた。

 2012年に製品化した当時の太陽光発電市場は、FITが施行した直後で、開発ラッシュが続いていた。発電所の施工分野に多くの関心が集まり、保守への注目度は総じて低かった。「太陽光発電は、メンテナンスなしで運用できる」と誤解している事業者も多かった。

 一方で、発電や通信などインフラを本業とする企業を中心に、効率的で精度が高く、かつ、素早く不具合を検査できる手法を求める動きもあった。

 システム・ジェイディーのパルス信号を応用した検査システムは、そうした企業を中心に、採用が進んでいった。

 同社の伊達博社長によると、発売当初に採用したのは、電力会社のグループ企業や各地の電気保安協会が多かった。そこから徐々に認知度が高まり、EPC(設計・調達・施工)サービス企業やO&M企業に広まっていったという。

 太陽光発電所のEPCやO&Mを多く手がけているNECネッツエスアイもその1社で、システム・ジェイディーと提携し、SOKODESを応用したパネル単位でのトラブル検出を、遠隔監視サービスに組み込んだ(関連コラム)。

 NECネッツエスアイでは、接続箱内に基板を設置して定期的に自動で検査する手法を推奨している(図4)。毎晩、パネル1枚ごとに検査し続ける利点として、パネル単位での抵抗に関する履歴が蓄積され、経年変化を把握できることを挙げる。

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図4●接続箱内に基板を設置して毎晩、自動で点検
NECネッツエスアイが施工した太陽光発電所(出所:日経BP)
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 抵抗値の上がり方から、太陽光パネル内ではんだが浮いて切れる直前になっているといった状況を予兆できるという。これにより、例えば、「1年後に断線する可能性が高いパネルの枚数」などを予測し、早めに修繕計画を立てられるとしている。

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