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除雪すべきは地面より「パネルの上」、冬の発電量を増やす新・運用手法

サービス対価は、発電量の増加分に応じて決定

2019/04/03 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 積雪地域に立地する太陽光発電所におけるO&M(運用・保守)として、新たな除雪手法が検討され始めている。太陽光パネルに積もった雪を、発電していない夜間に除き、翌朝からの発電ロスを回避しようという手法である(図1)。除雪費用を上回る発電量の増加が見込めるサービスを実現できれば、発電事業者と除雪事業者の双方に利点がある。

図1●太陽光パネル上に積もった雪
(出所:Golden Leaf-Works)
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 積雪地域にある太陽光発電所の中で、除雪をO&Mに組み込んでいる例は少ない。それは、降雪対策として、設計面で大きく2つの点で工夫しているためである。

 一つは、パネルに積もった雪が滑り落ちやすくなるように、設置角を大きくしておくこと。

 もう一つは、パネルから滑り落ちた雪が地上に溜まっても、パネル低部につながりにくくするため、設置高を高くすることである。これらの工夫により、一時的にパネルを雪が覆っても、長期間、発電量を大きく減らすような状況は避けられることが多い。

 このため、日常的に除雪している太陽光発電所は限られている(山形県の内陸部の太陽光発電所の例)。ただし、平年以上に積雪が続いた時に、特別に除雪を依頼することはある。

 積雪地域の太陽光発電所において、日常的な除雪に対する関心が高まったのは、2017年~18年冬に、日本海側を中心に記録的な積雪が続いた時だった。各地で道路や鉄道などの交通機関が長期間にわたって寸断されるなど被害が相次いだ。

 太陽光発電所では、パネル低部近くまで積もったため、パネルの雪が滑り落ちない期間が長くなり、発電ロスが大きくなったサイトも多かった。さらに、積もった雪の重さが設計の想定を大きく超え、太陽光パネルや架台が損壊する被害が、広い地域で生じた。

 この大雪を契機に、日常的に除雪する太陽光発電所が出てきた。例えば、一定の高さ以上に積もった場合、除雪のサービス事業者が発電所に出向き、パネル低部の下などのアレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)間を除雪するなどの作業を行う(図2)。

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図2●北海道の太陽光発電所における除雪の例
(出所:Golden Leaf-Works)
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