LEDや半導体レーザーの照明分野への応用が進んでいる。自動車照明分野も例外ではなく、それらの光源の特徴を活かしたヘッドライトで、運転の安全・安心へ貢献するだけでなく、自動車のスタイリングにも大きな影響を与えている。青色レーザーと、蛍光体を組み合わせることで、発光点が小さく、高輝度な白色光源が構成できる。この高輝度白色光源でヘッドランプを構成することにより、照射光による遠方視認性向上、ランプサイズの小型化が実現できる。

近年のヘッドランプの動向

 電球など従来の光源を凌駕する効率を得たLEDは、低消費電力化による環境性能の向上だけではなく、LEDでなければできないような新たな機能・外観の実現に貢献している。従来の光源では困難であった機械的な可動部のない動的な配光制御機能の例としては、ADB(Adaptive Driving Beam)が挙げられる。ADBヘッドランプシステムは、ハイビーム配光の一部を消すことで、先行車・対向車に眩しさを与えないように配光を制御することができ、前方交通環境に左右されずハイビーム同等の前方視認性が確保できる(図1)。図2のADBモジュールは、LEDアレイパッケージから発せられた光を、セパレータにより集光させ、レンズにより拡大投影することで、ヘッドランプとして必要な配光パターンを形成している。2次元アレイ状に配置したLEDの点灯制御によって実現できるようになった。LED光源の個数やレイアウトの自由度が生む光学システムがヘッドライトに新しい外観を与えている例としては、図3のRXI光学系が挙げられる。RXI光学系は反射・屈折・内部反射を利用し、配光の制御性と効率を両立させることができる。光学系内部の複数回反射により光路を折り畳んでいることで、焦点から光学系前面までの距離が、通常のプロジェクターレンズに比べ極端に短い。さらに、光学系近傍にLED光源を配置できることで、従来のプロジェクター光学系に比べシステム全体の奥行き寸法を約1/5まで縮小できる。

図1 配光分布
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図2 ADBモジュール構造
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図3 RXI光学系
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