本記事は、照明学会発行の機関誌『照明学会誌』、第101巻、第5号、pp.186-191に掲載された論文「視覚・色・光環境研究の100年史 視覚研究の100年史-視感覚と視覚的注意」の抜粋です。照明学会に関して詳しくはこちらから (照明学会のホームページへのリンク)。

 視覚の研究が今日のように発展してきたのはFechner、G.T.(1801~1887)に負うところが大きい。そのため、国際心理物理学学会ではFechner を記念して「Fechnerday」という国際会議を1999年にアリゾナ大学で催した1)

 現代の感覚や知覚あるいは認知の基礎やその応用に関する研究は、1860年のFechner の「精神(心理)物理学原論」つまり、心理物理学(psychophysics)に始まる。他方、20世紀の後半から脳科学や記憶の研究が進み、感覚情報の生理的基礎あるいは感覚情報と記憶とのやり取りに基づいた研究が増えてきた。その特徴は、①心理物理学と視覚生理学の融合、②脳科学の台頭、特にfMRI の研究の進歩、③ 視覚的注意の研究の新たな展開である。 特に、Sternberg2)の短期記憶の研究に刺激されて認知心理学の研究に反応時間が用いられ、視覚的注意の研究に大きな影響をもたらしている。

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