一般照明用LEDの進歩はめざましく、発光効率は蛍光ランプを超えてさらに向上している。既存光源をLEDに置き換えるだけで省エネルギーを図ることができるため、照明のLED化が急速に進んでいる。LEDの進歩は、発光効率の向上だけでなく、演色性の向上や用途に応じたスペクトルの制御など、多岐にわたり始めている。ここでは、LEDのスペクトルの特徴と、スペクトルが人や物に与える影響をまとめ、スペクトルを制御することで実現できる快適な光環境について紹介する。

LEDのスペクトルの特徴

 一般照明用LEDは、白熱電球や蛍光ランプとは発光原理が異なるため、放射される光のスペクトルは大きく異なっている(図1~図3)。白熱電球は、フィラメントが高温に熱せられて発光し、赤外放射を含む連続光を放射する。3波長形蛍光ランプは、紫外放射を蛍光体によって可視放射に変換し、水銀の輝線を含む狭帯域のスペクトルを持つ。LEDは青色LEDと蛍光体の組み合わせで白色光を作成する方式が主流であり、図3に光色と演色性が異なる代表的なスペクトルを示す。

図1 白熱電球のスペクトル
図2 3波長形蛍光ランプのスペクトル
図3 白色LED のスペクトルの例

 LEDで白色光を得る方式は、一般的には (1)青色LED+蛍光体、(2)近紫外または紫外LED+赤、緑、青色蛍光体、(3)赤色LED+緑色LED+青色LED、および(1)と(3)のハイブリッドなどがある。現状では効率が高いという理由から(1)青色LED+蛍光体により白色光をつくる方式が主流である。(2)は演色性が良好で色のばらつきを小さく管理できるといった長所があるが、効率が(1)よりも低いのが現状である。また光色を可変させる場合には、(1)の異なる光色の組み合わせや(3)、ハイブリッドが採用されていることが多い。

 (1)や(2)では蛍光体の組成を工夫することでスペクトルを制御することができ、(3)ではLEDの波長を選択することで様々な光色を実現することができる。スペクトルは光色や演色性に関わるだけでなく、人や物、動植物などに影響を与えることから、用途に合わせて適切にスペクトルを制御することで、その目的を達成することができると考える。

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