除草対策は、太陽光発電所の運営において、最も省力化や低コスト化したい作業の一つである。収益や安全性などに関連する作業ではあるものの、生産に直接関わってお金を生み出す作業ではないからだ。これは、農業や緑地管理など、他の分野でも同様といえる。

 対策手法として「刈り取り」を選択した場合、理想的な姿は、米iRobotの室内用ロボット掃除機「ルンバ」の草刈版である。「ルンバ」のように、放っておいても「ロボット草刈機」が自律的に草を刈りながら敷地内を動き回り、充電量が減れば充電器まで自分で戻り、フル充電した後、再び雑草を刈りはじめる、というイメージだ。

 こうした自律的なロボット草刈機には、広い分野で確実な需要が見込めることから、さまざまな企業や行政機関などが開発を進めている(関連コラム:農林水産省による開発プロジェクト)。現状では、平地や丈の短い雑草など、特定の条件で使用できる芝刈機も実用化されている(関連コラム:スウェーデンのハスクバーナの機種)。

 このような中、除雪機や草刈機を手がける和同産業(岩手県花巻市)が、まさに「ルンバ」のように、自律的に雑草を刈るロボット草刈機を開発した(図1動画)。

図1・動画●ロボット草刈機による除草
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 同社によると、「雑草を刈る」という用途に使えるロボットとしては、国内初という。これまで実用化されていた機種は、あくまで「芝刈機」で、対応できる草や走行できる地面の状態が限られていた。

 現在は試作機が完成し、さまざまな分野のユーザーによる試用を経て改良を重ね、2019年度中には販売を開始する計画としている。

 同社は1941年(昭和16年)に創業し、除雪機の生産高では国内トップという。草刈機でも約50年の実績がある。

 開発に乗り出したのは、負担の大きい草刈りから作業者を解放したいという思いがあったという。草刈りは農家をはじめ、どの分野でも体力的にきつく、時間がかかり、危険を伴うこともある。「辛く、やりたくない作業」となっており、その多くをロボットが担えればと考えた。

 中でも農業は、担い手の減少、従事者の高齢化が加速している分野である。草刈り作業を効率化し、収穫など生産に直接関わるような作業に多くの時間や労力を割いたり、休息や余暇をより多く確保できるようにすることの重要性が高い。

 ロボット草刈機は、草刈りそのものはもちろん、自動制御、電池駆動、無線通信といった他の要素技術についても、これまで他の機器で培っていた技術を応用できたという。