地上に設置した太陽光発電所の運営で、避けて通れないのが雑草対策である。太陽光パネルに影を落として発電量を下げるだけでなく、繁茂した場合、花粉や種、害虫などが飛散することで、近隣からの苦情を誘発しかねない。

 防草シートや木質チップ、被覆植物の植栽、化学薬剤などで、繁茂を抑えつつ、定期的に刈り取るなど、複数の手法を適切に組み合わせることで、費用対効果の高い対策を打つことが理想である(関連コラム)。

 ただ、現実には、初期費用を抑えることを優先したり、風評リスクを恐れて除草剤の使用を避けたりして、定期的な機械除草に頼るケースも多い。

 機械による草刈りは、夏の暑い時期に、年に2~3回、必要になる。しかも、作業そのものが、従事者にとって身体的な負荷が大きい。外部に委託すれば、費用がかさむ。事業計画の中で、どのように組み込むか、頭を悩ませる発電事業者が多い。

 除草作業を効率化できる手法として、メガソーラーで導入が進みつつあるのが、乗用型の草刈機である(図1)。

図1●メガソーラーで導入が進みつつある乗用型草刈機
雑草を刈りながら斜面を下る。筑水キャニコムによる日立市のメガソーラー内での実演時の例(出所:日経BP)
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 従来のように、敷地内を歩き回らなくて済み、ベルトを使って腰で重い刈払機を支える負担もない。ゴーカートのような小型の4輪車に乗って、敷地内を運転して回るだけで、椅子の下にある回転刃が、伸びている雑草を刈り込んでいく。

 乗用型で草刈りしている作業者の表情は、楽しそうに見える。小回りを利かせながら運転していき、その間には、雑草がスピーディーに刈られていく。草刈りを「苦行」から「エンターテインメント」に変えるような面がある。

 面積あたりの除草時間も短いことから、敷地が広くなるほど、作業効率が高まる。採用した太陽光発電事業者は、「従来の手法には戻れなくなる」と口を揃える。