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「太陽光パネルの下も刈れます」、乗用型草刈機の需要増で専用機も

自動走行機の開発も進む

2018/09/26 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 太陽光発電所の運営において、発電事業者やO&M(運用・保守)事業者を悩ませるのが雑草対策である。

 太陽光パネルよりも高く伸びれば、パネルの上に影を落として発電量を下げる。さらに過剰に繁茂した場合、何らかの原因で発電設備がアーク(火花)を発した際に、枯れ草に燃え移って火災の原因となりかねない。周辺地域に花粉や種、害虫などが飛散する恐れもある。

 雑草の対策に、万能な解決策はいまのところない。多く採用されている手法の一つが、草刈機を使った除草となっている。

 雑草は、初夏から晩秋までの暑い時期によく伸びる。草刈機による除草は、その間に少なくとも2~3回は必要になる。

 しかも、作業そのものが、従事者にとって身体的な負荷が大きい。外部に委託すれば、費用がかさむほか、発電設備の損傷といったトラブルも増えている。事業計画の中にどのように組み込むかに悩む発電事業者が多い。

 除草作業を効率化できる手法として、メガソーラー(大規模太陽光発電所)で導入が進んでいるのが、乗用型の草刈機である(図1)。

図1●筑水キャニコム製の乗用型草刈機
福岡県のメガソーラーにおける活用例(出所:日経BP)
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 従来の刈払機を使った場合のように、敷地内を歩き回らなくて済む。ベルトを使って、肩や腰で重い刈払機を支える負担もない。ゴーカートのような小型の4輪車に乗って、敷地内を運転して回るだけで、椅子の下にある回転刃が、伸びている雑草を刈り込んでいく。

 乗用型で草刈りしている作業者の表情は、楽しげだ。小回りを利かせながら運転していき、その間に、雑草がスピーディーに刈られていく。草刈りを「苦行」から「エンターテインメント」に変えるような利点もある(動画1)。

動画1●福岡県のメガソーラーにおける活用例
この発電事業者は、福岡県を中心に多くのメガソーラーを運営し、乗用型草刈機でこまめに除草している(出所:日経BP)

 面積あたりの除草時間が短く、敷地が広くなるほど、作業効率が高まる。採用した太陽光発電事業者は、従来の手法には戻れなくなると口を揃える。

 乗用型草刈機は元々、農業で広く使われてきた。田畑や果樹園で使われている。このため、農業向けの機器メーカーが手がけていることが多い。筑水キャニコム(福岡県うきは市)もその1社である(関連コラム:傾斜に強く、人の背より高い雑草も刈り込める4駆の草刈機)。

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