油圧ショベルを使ったパネル洗浄を北海道で

 同社は、2015年以降、油圧ショベル(ショベルカー)のアームの先端にブラシを取り付け、太陽光パネルを洗浄するサービスを展開してきた(図4)。

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図4●油圧ショベルのアームの先端にブラシを付けて洗浄
イタリア企業製のブラシを使い、北海道で展開している(出所:Golden Leaf-Works)

 油圧ショベルを使った洗浄サービスは、北海道において、一定の顧客を獲得しているものの、予想していたよりも拡大しなかった。その理由が、パネル表面を「ブラシでこする」という方法だったと分析し、今回の非接触の洗浄方式を開発した。

 採用を検討していた顧客の中には、ブラシでこする方法の洗浄を導入した場合、太陽光パネルの保証対象外になる懸念があることを理由に、採用を逃した例もあるという。

 この油圧ショベルを使ったパネル洗浄サービスを始めたのは、欧州の先例などから、今後、日本でもO&Mの重要性が増し、その一環として太陽光パネルのメンテナンスの需要が増すと予想したためだった。

 イタリアの土木機械用アタッチメント(作業別の部材)製造企業のブラシを使う。トンネルの側壁の洗浄用として開発されたものだが、イタリアでメガソーラーが多く開発された時期に、ブラシをトンネル洗浄用よりも柔らかいものに変え、太陽光パネルの洗浄用として製品化された。

 油圧ショベルを使った洗浄サービスは、北海道で展開している(図5)。この理由は、油圧ショベルを使うために、アレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)を並べた列の間隔が3m以上、空いている必要があるからだった。

図5●アレイ間が広い北海道に向く
油圧ショベルは地元で借りる(出所:Golden Leaf-Works)
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 北海道などの積雪地域では、パネル上に積もった雪が滑り落ちやすくするため、パネル設置角を30~45度まで傾ける必要がある。そのため影が長くなり、アレイ列の設置間隔を5~6mまで確保する発電所が多く、油圧ショベルを使った洗浄に向く。

 今回の洗浄ロボットを開発したもう一つの理由は、アレイ列間の狭い地域への対策もある。積雪の少ない地域になるほど、アレイ列の接地間隔は狭くなる。

 同社によると、岩手県一関市より南では、この手法では洗浄サービスを提供できなかった。洗浄ロボットであれば、アレイの間隔が狭くてもサービスを提供できる。

 北海道で洗浄サービスを活用している太陽光発電所は、季節によって生じる砂塵などの除去が目的という。

 例えば、雪解け時期の「焼砂」による砂塵である。北海道の道路では、積雪期には交差点などを中心に、道路に「焼砂」と呼ばれる砂が撒かれる。ブレーキをかけた時に、滑りにくくするなどの効果がある。

 雪解けが始まり、道路を覆う雪がなくなってくると、焼砂による粉塵が空中に飛散するようになる。道路沿いの太陽光発電所では、パネル上に多く降り積もる。

 春になり、発電量が増えてくる時期にも関わらず、これによって発電量が想定ほど伸びないことがあるという。こうした場所には、砂塵を洗浄する需要がある。

 油圧ショベルを使った洗浄は、平地であれば1日に1.0~1.5MWのパネルを洗浄できる。洗浄費は、パネル1MW分あたり50万円(税抜き)からで、今回の洗浄ロボットを使った場合と同じに設定している。