浜松新電力は高圧向けで「再エネ100%」目指す

 家庭で電力需要が増えるのは、朝起きて家を出るまでの8~9時間頃、そして帰宅後、夕飯を食べて寝るまでの19~22時頃の2つの時間帯になる。一方、太陽光の出力は11~15時頃に最も伸びる。つまり、家庭の電力需要と太陽光出力の山には、ズレがある。そのため太陽光の発電時間帯だけ再エネ電気を供給しても、家庭の電力需要の2~3割しか賄えないという。

 それでは、コープさっぽろとソフトバンクの家庭向け電力供給サービスでは、なぜ再エネ比率「6割」を可能とみているのか。コープさっぽろの場合、再エネの電源は水力とバイオマスと風力が主体になるため、朝や夜でも再エネ電力を供給できる。従って、「再エネ比率を高める方策は、需要予測の精度を上げて、他社(伊藤忠エネクス)から卸供給を受ける量を極力、減らすこと」(エネコープの木暮常務)となる。

 これに対し、ソフトバンクは、再エネ電源は、SBエナジーの持つメガソーラーが主体になる。3月14日の記者会見では、「太陽光主体では、再エネ比率6割を達成するのは難しいのではないか」との質問に対し、「太陽光だけでも6割は可能。特に北海道ではメガソーラーだけで6割以上になりそうだ」(ソフトバンクの馬場本部長)と、自信を見せる。これに対しLooopの小嶋部長は、「太陽光だけで再エネ比率6割を達成するのは難しいはず。ソフトバンクがどんな形で達成するのか、今後の実績を注視していく」と話す。

 ちなみに浜松市とNTTファシリティーズなどが出資する浜松新電力は、市内のメガソーラー(約8MW)と廃棄物(バイオマス)発電(約1.5MW)などを電源に確保し、「再エネ比率100%」の電力供給を目指している(図5)。これに現実味があるのは、浜松新電力の場合、当面、夜間の電力需要の少ない事務所ビルなどの高圧需要家を対象にしているからだ。「太陽光とバイオマス発電の供給ロード(推移)に合った需要家を探してく」というスタンスで顧客を募る。夜間の需要が多く、需要予測の難しい家庭向け電力小売りは、高圧需要家向けでノウハウを蓄積しながら、今後、検討していくという。

図5●浜松新電力が電気を調達する浜松市内のメガソーラー(出所:浜松市)
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 こうして見ると、4月から小売事業が自由化された家庭などの低圧需要家への電力供給では、再エネ主体の電力メニューの難易度は相対的に高くなりそうだ。太陽光主体の場合、ソフトバンクの「6割」が当面、“トップランナー”になりそうだが、果たして実際の電源構成の実績がどうなるのか、たいへん注目されるところだ。