「太陽光主体では再エネ比率3割が限界」

 一方、太陽光発電システムを販売するLooop(東京都文京区)は3月11日、再エネの比率を「26%」まで高めた電力を低圧需要家向けに供給するサービス「Looopでんき」を開始すると発表した。

 2016年4月1日~9月30日までの同社の電源構成の計画値は、「FITを利用しない再エネ・6%」「FIT電気・20%」「その他・74%」となっている。FITを利用しない再エネの電源は水力発電から調達する。「FIT電気」の電源は、低圧連系の太陽光発電事業者から調達した電気が主体になる。

 水力発電は、岐阜県恵那市にある木曽川水系の阿木川ダムを利用した発電所(出力2.6MW)から調達する。ほかに鹿児島県指宿市にある地熱発電所(2017年春に試運転開始の予定)からも調達する計画を立てている。

 Looop事業本部企画開発部の小嶋祐輔部長は、「再エネ比率『26%』に関しては見方が分かれると思うが、2030年時点でのベストミックスの再エネ比率(22~24%)をすでに超えているという点で、大きな意味がある」と話す。

 実は、Looopに限らず、太陽光発電を主体にしたFIT電気を活用する新電力の多くは、「再エネ比率20~30%」が多くなっている。ワタミは、子会社のワタミファーム&エナジー(東京都大田区)を通じて、5月から家庭向け電力小売事業を開始する(図4)。ワタミグループがFITを利用して売電している風力や太陽光発電からの電力などを活用し、電源の「約3割」をFIT電気で賄うことを目標に掲げている。

図4●ワタミファーム&エナジーが電気を調達する北海道のメガソーラー(出所:CSS)
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 再エネ設備の販売・施工などを手掛けるエコスタイル(東京都千代田区)は、太陽光によるFIT電気を活用した電力小売事業に参入したが、再エネ比率は「15%」としている。

 Looopやワタミ、エコスタイルなど、太陽光発電の開発に取り組んできた企業が、再エネをウリにした家庭向けの電力供給に乗り出しながら、その比率が30%以下にとどまっているのは、「夜に発電しない太陽光を再エネの主体にした場合、家庭向けでは再エネ比率は3割が限界」(Looopの小嶋部長)だからだ。