海外で合計100MW、中国やインドで採用が活発

 国内で採用された案件には、静岡県湖西市にある養鰻場跡の出力3.678MW(2016年3月完成)を皮切りに、愛知県豊明市の出力1.8MW(図4:2017年3月完成)、香川県の出力1.5MW(2017年6月完成)がある。

図4●愛知県豊明市の出力1.8MW
採用例の一つ(出所:三井住友建設)
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 これに加えて、自社事業として平木尾池で建設している出力約2.6MWの案件がある。同社による太陽光発電事業は、佐賀県吉野ヶ里町にある三田川PC工場の敷地内の出力1MWが稼働しているが、こちらは地上設置型となっている(関連ニュース3)。

 このほか国内では現在、開発中の5カ所・合計出力約10MWの水上メガソーラーで採用が決まっているという。この5カ所のうち2カ所は、香川県内のため池を活用した案件で、実証試験を施工したことを機に、同県で開発される水上案件との関係が深まっている。

 製品化を計画していた当初から、海外での拡販も目標の一つとしてきた。

 まず、シンガポールにおけるフロートやパネルの性能や品質の確認を目的としたプロジェクトに採用された。2016年9月に完成した。6社のフロートが使われており、欧州やアジアに向けたショーケースの役割を果たし、これを機に引き合いが増えたという。

 タイにも出力10kWの案件が稼働済みという。このほか、中国、インド、スペイン、オーストラリア、台湾、これに南米も含め10カ国以上で合計出力約100MWの採用が決定している。

 予想以上に引き合いが多いのが、中国とインドという。中国では、食料不足への危機感から農作を奨励し、地上設置型の太陽光開発を禁じている地域があり、こうした地域で水上型の開発が活発になっている。一つの池で、出力数十MWといった大規模な開発プロジェクトがあるなど、日本に比べて大型案件が増えそうだとしている。

 インドの場合、気温が高いこともあり、農業用ため池に溜まった水の蒸発の抑制対策を兼ねて開発されることも多いという。

 こうした池では元々、池の上に蓋をするように、シートなどで水面を覆うことで、蒸発を防いでいることが多いようだ。水上太陽光発電所の設置によって蒸発を防ぐ効果として、池の水量が約15%増えると試算されている池もあるとしている。

 加えて、発電事業として見ても、水によるパネルの冷却効果で、地上設置型に比べて変換効率が高くなることも、水上型の開発意欲の高さにつながっているという。

 オーストラリアでも、インドと同様、農業などにおける水の確保が課題となっており、引き合いが強いという。オーストラリアの場合、電力料金の高騰も重なっている。ハウス栽培で、水を守りつつ、安い電気を生み出す手法として期待されているという。

 海外からは、発電事業者、EPC(設計・調達・施工)サービス事業者だけでなく、太陽光パネルメーカーからも引き合いがある。

 こうしたパネルメーカーは、水上太陽光の開発を目指す顧客に対して、自社製パネルとフロートをセットにして供給するワンストップ戦略を模索している。すでに特定のパネルメーカー専用に開発したフロートを供給した例もあるという。