カネカは2015年、「ヘテロ接合型」の太陽光パネルの量産出荷を始めた(図1)。ヘテロ接合型は、異なる半導体材料による太陽電池を接合してセル(発電素子)を構成するタイプで、カネカの場合、スライスして板状(ウエーハ)に切り出されたバルク(結晶塊)の単結晶シリコンの両面に、薄膜のアモルファス(非晶質)シリコンを形成している。

図1●カネカのヘテロ接合型パネルを採用したメガソーラー
出力約1.1MWの「豊岡エコバレー・竹貫地場ソーラー」。大規模な発電事業では初の採用に(出所:日経BP)
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 ヘテロ接合型は、変換効率の高さが利点となる。先行する製品として、パナソニックの「HIT」が知られている。

 カネカでは、2014年にヘテロ接合型の量産試作ラインを立ち上げ、量産技術の確立など、準備を進めてきた。2015年秋に、住宅用を中心に54セル品の量産出荷を始めた。出荷開始当初の出荷品の変換効率は約17%となった。

 出荷開始の直後に、同製品を導入したメガソーラー(大規模太陽光発電所)もある。兵庫県豊岡市の建設した「豊岡エコバレー・竹貫地場ソーラー」で、大規模な発電事業向けでは初の採用になった(関連コラム)。

 豊岡市には、カネカの太陽電池セル・パネル(モジュール)の製造拠点があることから、同市が開発、運営する太陽光発電所では、同社のパネルを積極的に採用している。

 同メガソーラーは、豊岡市日高町竹貫にある面積約1万7000m2の土地に立地し、出力は約1.113MWとなる。ヘテロ接合型の出荷開始のタイミングに合わせて施工し、出力245W/枚の製品を採用している。

 豊岡市によると、当初はカネカが従来から製品化しているタンデム型薄膜シリコン系(アモルファスシリコンと多結晶シリコンの積層)パネルを採用する予定だった。ヘテロ接合型の量産が始まる見通しとなったことから、ヘテロ接合型を採用できるように、施工や発電開始の時期を約1年間、延期した。