日経デジタルヘルスが選ぶ、2019年を占う10大キーワード(page 5)

2018/12/27 07:00
日経デジタルヘルス編集部

9)医療従事者の働き方改革

 人手不足がますます深刻になっており、2019年は医療従事者の働き方改革の取り組みが活発になりそうだ。特に地方では人口減が急速に進んでおり、職員の確保が難しくなっている。ICTによる業務効率化は、患者へのサービス向上と職員の働きやすさの両立のために避けて通れない。2018年度末には厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」の最終取りまとめ・提言がなされる見込みで、改革に向けて本格的に動き出す。

 愛媛県四国中央市の石川記念会HITO病院では、スマートフォン(スマホ)を使った音声認識による電子カルテの入力システムを導入して、入力時間を約70%削減する成果をあげた(関連記事)。サービス終了が近づくPHS(簡易型携帯電話)に代わって、スマホを職員に支給する病院が増えており、高機能のスマホを通じてICTの導入がさらに進みそうだ。

 このほかに倉敷中央病院(岡山県倉敷市)は、GEヘルスケア・ジャパンが提唱する機械に通信機能を持たせた製品(IoT)や人工知能(AI)を駆使した「ブリリアントホスピタル」構想の実現に乗り出した(関連記事)。まずは医療機器の稼働状況を分析し、医療スタッフや機器の稼働の効率化を目指す。スタッフの付帯義務を減らすなどの働き方改革や、モニタリングを行うことによる個別ケアの実現なども計画している。

10)ブロックチェーンの医療応用

 仮想通貨の決済網・暗号通貨の中核技術として注目されたブロックチェーン。2018年3月にラスベガスで開催された「HIMSS 2018」では、80演題以上のブロックチェーン関連の発表が行われるなど、ブロックチェーンを医療分野に応用しようという試みが始まった。国内でもITヘルスケア学会が「医療ブロックチェーン研究会」を立ち上げ、医療での活用法を具体的に探る取り組みが重ねられている(関連記事)。

 2018年はそうした活動をはじめ、ブロックチェーンを応用したソリューションやサービスが登場してきた。デジタルガレージとウェルビーがロックチェーンやAIなどを活用したPHRサービス(関連記事)、ブロックチェーン技術と医師資格証(HPKIカード)を使用した医師の講座受講情報の管理や保有資格を開示するサービス(関連記事)などである。

 また、国内各地で実証実験が展開されたほか、ブロックチェーン技術を用いたプラットフォームを利用した日本医師会の「かかりつけ医 糖尿病データベース研究事業(J-DOME)」が実運用を開始するなど、その応用が加速している(関連記事)。2019年はさらに応用研究が進み、数多くの具体的なサービスも登場してくるだろう。

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