薬局を舞台に実証が開始

 このMEDLLECTの有用性はいかなるものなのか─―。同システムの実用化に向けた実証実験が、保険薬局の協力の下で2015年夏に始まった。以降では、その様子を見ていこう。

 舞台となったのは、千葉県を中心に28店舗の保険薬局を運営する友愛メディカル。同社ではこれまで、在宅医療患者に対する飲み忘れ防止・服薬の適正化は、オリジナルの服薬カレンダーを導入し、訪問薬剤師が服薬をチェックしながら確実に服用できるよう徹底してきた。

 しかし、外来ではカウンセリングに努めながらも、聞き取りでは実際の服用状況をなかなか把握しきれないのが実情だったという。「MEDLLECTが画期的だと思ったのは、服薬時間、タイミングがデータとして収集できること。問診による服薬状況確認とは違ったアプローチの仕方が可能になるのではないかと考えた。朝食後の服用といっても、その患者の朝食時間はどうなのか。あるいは、昼食後の飲み忘れが多いのはどのような背景があるのか。こうした患者の生活パターンと服薬状況の関連性が見えれば、より患者に合った指導が可能になる」(常務取締役 薬剤師の玉井典子氏、図4)。

図4 実証実験に協力した友愛メディカルの玉井氏(左)と小森氏(右)
[画像のクリックで拡大表示]

 実証実験は、友愛薬局 勝田台店(千葉県八千代市勝田台)で実施した(図5)。実運用に伴う手順が実行できるか、薬剤師・患者にどれぐらいの負担がかかるか、などの問題点を明らかにするのが目的だ。運用の際は、投薬時にMEDLLECTタグにPTP包装シートをセットし、患者情報、処方情報の登録を行う必要がある。また、長期処方の患者は1シート分を服用した後、患者自ら包装シートを取り替えなければならない。主に、こうした点が実行できるかを中心に実験した。

図5 友愛薬局での実証の様子(患者はダミー)
[画像のクリックで拡大表示]

 対象とした患者は、60歳代から80歳代の男女6人。飲み忘れても健康被害、病態に影響を与える可能性が低いビタミンE錠剤を対象とし、毎食後1日3回服用で、4週間処方の患者を選んで行った。1週間分服用のMEDLLECT用PTPシートに包装したものを使用したため、患者は3回にわたって自らシートをセットした。