錠剤を取り出すだけ

 一方、薬のパッケージに錠剤を取り出したことを検知する機能と通信機能を搭載し、服薬アドヒアランスの向上を狙う取り組みも出てきた。医薬品の包装材料開発、受託製造・包装を行うカナエが、ソと共同で開発した服薬履歴管理システム「MEDLLECT」だ(図2)。

図2 PTP包装シートの裏面に導線を付した専用包装体(左)と、そこにMEDLLECTタグを装着した様子(右)
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 MEDLLECTは、PTP包装シートの裏面(アルミ箔側)に導線を付した専用包装体、そのPTP包装体に取り付けて使用するMEDLLECTタグ、クラウド上で患者情報・服用情報を管理するアプリケーションから成る。PTP包装から錠剤を取り出すと、裏面のアルミ箔が破れる。PTP包装体に取り付けているMEDLLECTタグ内のモジュールからは、定期的にPTP包装シートの導線に信号が送られており、錠剤の取り出しによって導線が切断されると電圧変化が起きる。これをモジュールが検知し、錠剤を服用した時間として記録・管理する仕組みである。

 MEDLLECTタグには、ソニーの非接触型ICカード技術「FeliCa」のチップとアンテナが実装されている。FeliCa対応のスマートフォンやICカードリーダーを装着したパソコンなどを用いてデータを読み取ることで、クラウド上の服薬履歴管理システムにアップロードできる。服薬履歴管理システムには患者(あるいは患者の家族)がアクセスして飲み忘れなどを確認できる。薬局への導入が進めば、例えば、かかりつけ薬局の薬剤師が患者の服薬状況や服薬パターンなどを把握し、服薬指導などに役立てることも可能となる(図3)。

図3 MEDLLECTの概要(カナエの資料を基に本誌が作成)
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