「最適な治療計画にAIを活用する世界も近い」

日本クリニカルパス学会 理事長、学術大会で講演

2016/11/30 20:15
増田 克善=日経デジタルヘルス

 「治療プロセスを検証するために、クリニカルパスの電子化は必然。膨大なデータ収集が可能になった現在、ビッグデータ解析でさまざまな可能性が広がった。最適な治療計画にAI(人工知能)を活用する世界も近い」――。日本クリニカルパス学会 理事長の副島秀久氏(済生会熊本病院院長)は、「第17回 日本クリニカルパス学会学術集会」(2016年11月25~26日)の理事長講演に登壇。「クリニカルパスとビッグデータ -現状と活用そして未来を考える-」と題して、クリニカルパスの道標をこう語った。

理事長講演に登壇した副島氏
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 「パスは医療記録として、現時点で患者状態のデータを電子的に取得するという意味で最適なシステムと言えるだろう」と冒頭で話した副島氏。日常的に記録する内容をデータ利用するために同学会が策定、普及に努めているBOM(Basic Outcome Master)について、あらためてその本質を説いた。

 パスの目的は治療プロセスを管理し、問題がなかったか検証すること。検証のためにはデータが必要であり、言語情報(診療記録)から「意味のある臨床データとして収集する」ために考え出されたのがBOMである。「“発熱がある” “食欲がない”というように自然文の意味情報を構造化したのがBOMであり、このデータを収集することによって(治療プロセスなどを)分析できるようになる」(副島氏)。

 続けて副島氏は、さらに重要なことはバリアンス(診療上の目標からの逸脱)だとし、「診療上の失敗を分析しなければ改善はない」と指摘。これまで(結果の)偏位・逸脱を分析してこなかった背景には、「アウトカム(目標)、バリアンスといった概念が浸透しなかった、多数の症例を解析しないと結論を得るのが難しい、質改善が組織文化になっていなかった」とする。診療の質管理はチーム・組織的な取り組みだとし、さらに組織風土にすることが重要だと強調した。

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