オンライン診療、「現実的な解釈と点数設定を」

東京都医師会理事の目々澤氏、都医として意見表明

2018/11/20 17:00
増田 克善=日経デジタルヘルス

 東京都医師会 理事の目々澤肇氏は、「第22回 日本遠隔医療学会学術大会」(2018年11月9~10日、九州大学医学部百年講堂)の特別企画「オンライン診療の保険収載で何が変わるか:行政と医師会の立場から」に登壇した。「東京都医師会員のオンライン診療に対する評価」と題し、医師会員を対象に実施したアンケート調査の結果を解説するとともに、都医師会としてのオンライン診療に対する評価・意見を語った。

東京都医師会の目々澤氏
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 東京都医師会は、毎年医師会員を対象として「医療IT化に関する調査」を実施している。2017年度の同調査では、オンライン(遠隔)診療についてどのように考えているかを調査項目に加えて実施した。オンライン診療に対する認知度や利用状況、賛成・反対などの結果については、すでに発表されている(関連記事)。

 目々澤氏は、この結果をさらに回答者の男女別や年代別の解析を行った結果を紹介した。それによると、「遠隔診療についてどのように考えているか」という質問では、女性医師会員が「どちらかといえば賛成」「どちらかといえば反対」を選択する傾向があったが、「(賛成・反対が拮抗している)体制に影響はなかった」(同氏)という。

 一方、年代別の傾向を見ると、「賛成」と回答した30代、40代の医師がそれぞれ15.5%、9.6%であったのに対し、60代、70代の医師ではそれぞれ10.1%、9.1%が「反対」とした。「若い医師が賛成であるのに対し、年齢とともに反対が多くなる。『どちらかといえば』を合わせると、その差はさらに大きかった」(同氏)。

 また、診療科別で見ると、「精神科系で賛成する傾向が若干多く、かなり肯定的に受け止められている」(同氏)と述べた。

東京都医師会としての意見は・・・

 こうした結果と、2018年度の診療報酬改定で保険収載されたオンライン診療に対して、目々澤氏らは東京都医師会(都医)としての意見をまとめたとういう。すなわち、「オンライン診療は、外来診療の一形態として宅診・往診・在宅診に次ぐ新たな選択肢となっていく可能性を秘めている。今後の進展に伴って、現実的な解釈・点数設定を考慮していくべきものと考える」(同氏)という意見である。

 都内の在宅医療に携わる医師からは、「オンライン診療を利用する機会はもっと頻度が高く、現状では電話再診として請求するしかないという批判も生じている」(同氏)という声を紹介した。

 一方、関東圏の医師会による保険部会などでは、オンライン診療に対する警戒感を表明しているという。反面、保険収載された「現在の点数ではオンライン診療プラットフォームを提供するベンダーへの支払いもできないという意見もあった」とした。

オンライン診療の場所・時間は見直しを

 都医の役員間のディスカッションで、医療・介護連携におけるICTツールを用いた“医師からの指示”に関する意見もあったと説明した。「医師から(他職種へ)の指示もオンライン診療の一形態として認知すべきである」(同氏)というもの。現状のオンライン診療は、基本的にD to Pに限った解釈だが、その範囲拡大への要望である。

 もう一つの意見は、「診察室において診療時間内に行わなければ、オンライン診療として認められない」ことの見直しである。「私自身、出張中に患者の状態を聞き取り、紹介状を書いたこともある。こうしたケースにも対応できるオンライン診療としての仕組みが必要と考える」(同氏)。

 こうした都医としての意見に加え、目々澤氏個人の意見としてもオンライン診療の範囲拡大を主張した。すなわち、医師専用SNSによる医師同士の診療相談などが普及していることを踏まえ、こうした診療相談もオンライン診療の一つの形態として認知していくべきだという。「このようなケースもガイドラインに盛り込み、診療報酬の点数化は未来の医療を考える上で重要だと考えている」(同氏)と私見を述べた。