「血液1滴でがん発見」のヒント、太陽電池にあり(page 2)

鍵を握るデバイス技術、名古屋大学の馬場氏が語る

2017/09/13 10:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

“分子夾雑”やAIが重要に

 こうしたナノデバイスを医療や創薬に応用していく上では今後、大きく2つの技術体系が重要になると馬場氏は指摘する。

 一つは、「分子夾雑(ぶんしきょうざつ)」という考え方に基づく生命科学技術。細胞や生体組織を「さまざまな分子が高密度で雑多に混在する系」ととらえ、こうした環境下での構造解析や機能制御ができる分子を設計する技術を確立する。「試験管の中で起きている現象と、細胞や組織の中で起きている現象は異なる」(馬場氏)ことを重視した技術体系である。文部科学省が支援するプロジェクトが2017年度に始まっており、馬場氏もここに加わって京都大学や甲南大学と共同研究を進める。

 もう一つは人工知能(AI)だ。AIは、生体内などでやりとりされる「シグナル(信号)の意味を知る上で極めて有効だ」と馬場氏は話す。従来のナノデバイスでは、信号/雑音比(S/N比)を限りなく100%に近づけることが求められた。これに対し、雑音も含めた膨大な種類の信号をAIに学習させることで、S/N比は80%といった水準でも解析の精度を十分に高めることができるようになったという。AIは複雑系の解析に向く技術で、創薬はその一つであるとした。

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