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過疎地域でのオンライン診療、「収入は半減する」

秋田の過疎地域で実証した開業医が語る

2018/09/06 15:00
増田 克善=日経デジタルヘルス

 「時間の効率活用や患者の医療費削減などのメリットはある。ただし、医業収入は半減する」――。過疎地域で遠隔診療(オンライン診療)の実証試験に取り組んだ開業医の言葉である。

 秋田県湯沢市の南端に位置し、高齢化率が34.8%に達する皆瀬地区。ここには市立皆瀬診療所が1軒あるが、30年勤務した医師が2016年3月に退職した。

 常勤医募集に応じる医師もいないため、同地区の医療崩壊を何とか防ごうと湯沢市雄勝郡医師会所属の医師3人が、週3回(うち1回は午後診療のみ)の外来を補助してきた。しかし、20人ほどの在宅患者の訪問診療までは手が回らず、市はICTを用いた遠隔診療で在宅医療を維持しようと実証試験を試みた。

 その実証担当として手を挙げたのが、小野崎医院院長の小野崎圭助氏だ。実証試験の検証概要を、同氏が「第18回 日本糖尿病情報学会年次学術集会」(2018年8月24~25日、秋田市)の特別企画で講演した。

実証試験を行った小野崎氏
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複数疾患を持つ在宅患者を対象に

 実証試験前の訪問診療は、こうだった。小野崎医院から自分の車で皆瀬診療所までの22kmを35分かけて通い、そこから診療所の車に乗り換えて訪問する。最も遠方の患者宅までは診療所から13km、約20分を要した。

 この最も遠方の患者を含む、在宅患者6人を対象として遠隔診療を実施した。対面診療を補えるのか、(訪問診療の)時間的な問題や金銭的な問題に寄与するのかを検証した。

 対象患者は71~93歳の男女、要介護度2~4の6人。対象者の疾病名は、脊椎圧迫骨折/慢性気管支炎、脳梗塞後遺症/神経因性膀胱、くも膜下出血後遺症/糖尿病など、いずれも複数疾患を持ち、膀胱バルーン留置、在宅酸素療法(HOT)を施す患者も含まれる。

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