総務省が進める、個人中心の医療健康データ流通環境とは(page 2)

クラウド型EHRの構築とPHRサービスモデル検証を支援

2017/08/09 10:15
増田 克善=日経デジタルヘルス

各地でクラウド型EHR構築に参画

 このうちEHR相互接続基盤の構築において総務省は、「クラウド型EHR高度化補助事業」(2016年度補正予算:20億円、今年度も繰り越し継続)を進めている。「全国に約240の医療情報連携基盤(EHR)があるが、参加施設数、患者利用率も低く、患者登録は全国で155万人、人口の1%程度。クラウド技術を用いて標準に準拠した双方向の情報連携を促進してEHRの利用価値を高め、参加施設数・患者登録を増やしていく」(田中氏)ことが狙いだ。現状の地域医療情報連携ネットワークへの参加・運用維持は小規模事業者には負担が大きいとし、クラウド基盤を共同利用することでコスト負担を下げ、参加・利用しやすい環境を作っていくという。

 クラウド型EHR高度化補助事業では、2018年3月末までに対象医療圏域内人口の5%以上、3年間で10%以上の登録者数確保(一部にモデル事業を除く)をはじめ、公的資金に過度に頼らず、支出の過半を参加施設の利用料で賄う運営収支計画、双方向の情報連携、電子カルテ未導入の施設でもレセコン・PACS情報の共有可能に整備などの参加要件を課している。「ハードルを高く設定したため正直あまり参加の手が挙がらないのではと思ったが、予想以上に多くの地域が参加意向を示した」(同氏)とし、その中から16地域が交付先候補として挙がっている。

クラウド型EHR高度化事業における16地域の交付先(資料:総務省)
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 これら16地域のうち5つの実証フィールドでは、それぞれ個別のテーマを中核に仕組みの実証を行っている。岡山・島根・香川フィールドでは、医療等IDを用いた異なる地域間でのIHE(Integrating the Healthcare Enterprise)準拠の診療情報連携の仕組み。前橋・酒田フィールドでは、マイナンバーカードの仕組みを活用した患者の確実・迅速な同意取得の仕組み。沖縄フィールドでは、医療分野のさまざまなサービス利用の仕組みと接続の際の病院側ルールなどの実証。東大・京大フィールドでは、8K技術などの高精細映像伝送を目指したネットワークの仕組み。また、MEDIS(医療情報システム開発センター)・ORCA(日本医師会ORCA管理機構)フィールドでは、医療情報を収集・分析するためのネットワークの仕組みなどの実証が行われている。

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