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「電子カルテを書くこと」が目的化した医療の打破を

AIの活用で変革は可能か、Ubie阿部氏と都医師会目々澤理事が語る

2018/05/09 10:30
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 「ドクターとAIの協力がもたらす医療現場の革新」――。ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)は2018年4月20日、そんなタイトルを掲げたイベントを東京都内で開催した。

 ハードウエアメーカーやサービス事業者、臨床医が登壇した同イベントで、トピックの一つとなったのがAI(人工知能)による問診の効率化。サービス事業者の立場からデジタルヘルスベンチャーであるUbie 共同代表取締役 医師の阿部吉倫氏、ユーザーの立場から東京都医師会理事(医療情報担当)で脳神経内科医の目々澤肇氏がそれぞれ、AIの効用を語った。

パネルディスカッションの様子。Ubieの阿部氏(右)と東京都医師会の目々澤氏
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 Ubieの阿部氏は「AI問診で医療をredesignする」と題して講演。問診や電子カルテ作成をAIで支援するシステム「AI問診Ubie」への取り組みを語った。

 医師は、患者と向き合うことよりも電子カルテを書くことにより多くの時間を割いている――。阿部氏は医師としてのそんな実感から、AI問診Ubieの開発に取り組んだ。

 同システムは、問診と鑑別診断をAIでサポートし、電子カルテへの記入も支援するもの。これにより、医師の作業負担を減らし、患者とのコミュニケーションにより多くの時間を割けるようにする。

 具体的な仕組みはこうだ。まず、受診前の患者がタブレット端末を使い、AI問診Ubieが出題する質問に回答していく。主訴や年齢、性別などの回答内容に応じ、その患者の疾患の鑑別診断に必要と考えられる質問をAIが次々と提示する形だ。「(AIを用いた囲碁ソフトの)アルファ碁は、どこに石を置くと最も良いかを判断する。そのように、AI問診Ubieはどのような質問をすれば最も少ない質問で患者の疾患を正確に言い当てられるかを判断する」(阿部氏)。

 こうして収集した問診結果をもとに、AIが疑い病名を推測。問診情報と併せて医師側のパソコン端末に提示する。医師はそれらの情報を参照することにより、問診に必要以上の時間を割かず、効率よく診察することが可能だ。AIが整理した問診情報や疑い病名は電子カルテに貼り付けることもできるため、カルテ作成に割く時間も短縮できる。

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