「さらば福祉大国」、PHR先進国を目指すオランダ(page 3)

“国王肝いり”のプロジェクト始動

2017/04/04 10:30
大下 淳一=日経デジタルヘルス

「デジタル化の戸惑いは日本と同じ」

 地域レベルでのPHRの実証実験も、既に始まった。オランダは各地域で最も多くの保険契約数を持つ民間保険会社が、その地域全体の医療・介護の運営を担うというユニークな仕組みを採用している。PHRの実証実験でも、民間保険会社がプロジェクト資金を拠出。Nijkerk(ナイケルク)地域では、糖尿病などの慢性疾患患者を対象に、血糖値などの自己測定結果やウエアラブルデバイスで取得したデータをPHRに記録する実証実験が進んでいる。

 遊間氏はこのほか、同国のヘルスケアベンチャーや看護・介護組織による特徴ある取り組みを紹介。前者では、健康に良い行動をするとデジタル通貨「ヘルスコイン」を獲得できるというヘルスコイン社のサービス、後者では認知症患者向けのスマートハウス「Dementiehuis(認知症ハウス)」を挙げた。認知症ハウスは、IoTの仕組みを室内に張り巡らせ、認知症患者の自立的生活を支援するものだ。

 「ヘルスケア分野のデジタル化への“戸惑い”はオランダも同じ」。遊間氏はこう話す。それでも「銀行も旅行も今やデジタル化が当たり前。重要なのは“慣れ”で、(ヘルスケア分野のデジタル化も)時間の問題」という前向きな空気が同国にはあるという。

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