化粧品や住宅メーカーもヘルスケア展示、CES続報

2019/02/12 07:00
宇野 麻由子=日経 xTECH

 2019年1月8日~11日に米ラスベガスで開催された、米国最大のコンシューマーエレクトロニクス関連の展示会「CES 2019」では、化粧品や住宅メーカーなどからもヘルスケア関連の展示があった。センサーで皮膚の健康状態を調べて最適な製品を推奨する化粧品メーカーの展示や、居住者が脳卒中などになった際に救急車を呼ぶ住宅用システムなどに注目が集まっていた。日経 xTECHからCES 2019のヘルスケア関連記事をダイジェストで紹介する(関連記事)。

ロレアルが貼る皮膚pHセンサー

皮膚に貼るセンサーとスマートフォンアプリを連携させて使う
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 フランスの化粧品大手ロレアル(L'Oreal)は、皮膚のpHを調べるための皮膚に貼る使い捨て式センサーシステム「My Skin Track pH」をCES 2019で展示した。微量の汗のpHによりセンサーの色が変化し、それをスマートフォンのアプリで読み取って判定する。2019年内に同社が提携する皮膚科医の一部に導入される予定で、将来的には一般消費者へ販売することを目指す。

 同社によれば、皮膚のpHが一定範囲から外れると、皮膚の炎症反応を引き起こし、乾燥や湿疹、アトピー性皮膚炎といったトラブルを招いたり、悪化させたりする可能性があるという。こうならないように、まずは皮膚のpHを測定し、先手を打とうというわけだ。

 ただし、従来の皮膚のpH測定器は大掛かりだったため、病院や研究機関などに出向いて計測する必要があった。開発したアプリは、pH測定値と皮膚表面の発汗速度を計測して、皮膚の健康状態を評価する。結果に基づいて、ユーザーごとに最適な製品を推奨する。対象となる製品ブランドは、皮膚科医などと連携して開発している、敏感肌など皮膚トラブルを持つ人に向けた化粧品ブランドを想定しているという(日経 xTECHの詳細記事)。

P&Gは光ってしゃべる化粧水容器

 「Congratulations!」毎日使い続けると、化粧水のビンが自分をほめてくれる――。米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、容器のフタにBluetooth通信機能やLEDなどを内蔵し、スマートフォンやスピーカーと連動する化粧水容器をCES 2019で発表した。日本発のブランド「SK-II」の化粧品での利用を想定したもので、実用化は未定とする。

光って存在をアピールし、スピーカーを介してしゃべるSK-II化粧水の容器
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 化粧水などは効果を発揮するために1日2回、毎日使い続けることを推奨している。従来は売り場で強調するにとどまっていたが、今後は販売だけでなく利用時のサービスが重要になるとして、今回の容器を開発したとする。

 設定した朝晩の利用時刻になると、LEDが点灯してビン全体が光って利用を促す。開閉検知センサー(スイッチ)でフタの開閉を検知すると「疲れたときもちゃんとSK-IIを使えば大丈夫だよ」といったメッセージがスピーカー経由で流れ、 “癒やしの青”や“応援の赤”といったように内容に合わせた色のLEDが点灯する(日経 xTECHの詳細記事)。

脳卒中などを早期発見できる家

 積水ハウスはCES 2019に出展し、家を各種機能の基盤として販売し、その時々に必要な機能を継続的に提供し続ける事業への変化を狙う「プラットフォームハウス構想」を発表した。具体的な機能として「健康」「つながり」「学び」という3つの無形資産を生み出すことを想定する。このうち、まずは健康分野における「急性疾患対応システム」の開発に着手し、2020年春にはプラットフォームハウスを事業化するとした。

パートナー企業とのアライアンス構築を進めている
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 「急性疾患対応システム」は、脳卒中や心疾患などを想定したもの。居住者が異常を発した際に早期に発見し、救急車を呼ぶなどの緊急対応を行う。家庭内で居住者の倒伏を検知した場合に、遠隔のサービス窓口から音声などで呼びかけ、反応がないなどの異常が分かれば窓口から救急へ通報する。オンライン化したドアホンなどの機能を使い、救急の到着を確認したら玄関を開錠して、倒伏場所などの情報提供を行い、すみやかな救助を実現するという。

 2019年1月に慶應義塾大学 理工学部 教授の大槻知明氏の協力を得て「プラットフォームハウス ラボ」での実証実験を開始しており、2019年春には異常検知の医学的エビデンスを得るために複数の大学病院で臨床研究を開始する予定。2019年夏には実際の家での実証実験を始め、2020年春にプラットフォームハウスの販売を開始する(日経 xTECHの詳細記事)。

スマホで心拍・心電計測を実現へ

 スマートフォンなどの消費者向けの機器では、検知できる生体情報の種類が増えていきそうだ。米マキシムインテグレーティッド(Maxim Integrated)は、心拍推定(脈波計測)や血中酸素飽和度(SpO2)の計測に向けたPPG(photoplethysmography)用の光学系と、心電計測に向けたECG(electrocardiogram)向けアナログフロントエンドを、1モジュール化した「MAX86150」を発表した。スマートフォンなどでの採用を想定している。

「MAX86150」による心拍と心電の計測デモの様子
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 PPG向けの光学系は、赤と赤外線のLEDと2チャネルのフォトダイオードで構成しており、モジュール上部を指で覆うことで計測できる。ECGは2個の電極を左右の手の指で覆うなどして計測する。今回の製品では、PPGとECGを1モジュール化することで各検出データの時間差が小さく抑えやすくなり、原理的には血圧も計測できることになるという(日経 xTECHの詳細記事)。