患者に求められる“覚悟”

 一方、COMLの山口氏は神野氏の意見に同意しつつも、次のように指摘する。「診療情報は自分(患者)のものであるが、理解できないのが現実。診療データを開示する時代になったからと言って、一般の人が率先して自らのデータを手にし、読み解いて管理しようと思っているかというと、そうでないと思う」。

COML理事長の山口氏
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、診療情報の開示とともにインフォームド・コンセントが当たり前に行われるようになったのに対し、「患者は自ら重要な決断をしなければならないことを忘れている気がする。患者と医療者のお互いが成熟しないと、診療情報を自分のものとすることは難しい」と山口氏は語る。患者と医師が同じ目的に向かって“協働”するために、より良いコミュニケーションが大切だと強調した。

 これに対して神野氏は、カルテコで患者が自らの診療データを手にすることの意義は、患者と医療者のコミュニケーションを促進することだとした。「これまでも検査結果を渡すときに患者と話してきたが、カルテコは持ち帰って復習できるし、信頼できる薬剤師などに見せて説明や助言を得ることができる。医療者とのコミュニケーションの材料として役立つ」(同氏)。

 その上で神野氏は、チーム医療は医療者だけが連携・協働することに留まらないことを強調した。「患者もチームの一員として自立的に治療に参加することが大切。その“覚悟”を持っていただきたい」(同氏)。