ブーツや下着にセンサー、CESのヘルスケア展示に注目

2019/01/24 17:30
宇野 麻由子=日経 xTECH

 2019年1月8日~11日に米ラスベガスで開催された、米国最大のコンシューマーエレクトロニクス関連の展示会「CES 2019」では、ヘルスケア関連の展示が相次いだ。センサーをブーツや下着などに装着して常時データを計測し、医師とデータを共有したりする製品などに注目が集まっていた。日経 xTECHからCES 2019のヘルスケア関連記事をダイジェストで紹介する。

糖尿病による足切断を防ぐブーツ

Optima Molliterの足潰瘍治療向けブーツにスマートフォン連携するセンサーを加えた(写真:日経 xTECH)
クリックすると拡大した画像が開きます

 糖尿病の合併症の1つが、足の皮膚に生じる「糖尿病性足潰瘍」だ。体の末端である足は潰瘍や壊疽(えそ)が生じやすく、最悪のケースでは足を切断することになる。イタリアで糖尿病性足潰瘍患者向けの製品を扱うOptima Molliterは、足潰瘍の治療に向けたIoTブーツ「MOTUS Smart」をCES 2019のスタートアップに特化した展示会「Eureka Park」で披露した。

 Optima Molliterは、スキーブーツのような形状で患部を保護する治療用ブーツを既に実用化している。今回、このブーツにセンサーを加えることを提案した。歩数や活動量などのほか、履いているかどうかをセンサーで検知する。治療の段階に応じて少しずつ歩いて良い歩数を増やしていくため、決められた歩数を超えた場合には本人や医師に警告が通知される。イタリアの大学の付属病院などと臨床試験を行っており、米国のFDA認証も取得した(日経 xTECHの詳細記事)。

下着に貼り、洗って繰り返し使う

 米Spireは、下着に貼って、洗って繰り返し使えるバイタルセンサー「Spire Health Tag」を展示した。女性はブラジャーの脇部分の内側、男性はパンツのウエスト部分の内側に貼りつけて使うことを想定する。iPhone(iOS端末)と連携して、ストレスや活動、睡眠状態などを検知する。米国では2018年9月に、日本では2018年11月に販売を開始した。

下着の内側に貼り付ける(写真:日経 xTECH)
クリックすると拡大した画像が開きます

 貼りつけたまま洗濯機や乾燥機の使用が可能。米国の同社サイトでの価格は8個入りで299米ドル(1米ド=約108.5円として約3万2400円)だった。現在、医療機関向けの同様の製品を開発中で、医師による経過観察時のデータ計測として活用することを想定しているという(日経 xTECHの詳細記事)。

胎児の心電が見られるセンサー

 初めての妊娠時に意外に気になるのが、自分が寝ている間のおなかの中の赤ちゃんの様子だ。加えて、おなかに負担をかけない姿勢で寝ているのかが気になってしまい、ゆっくり眠れないこともある。こうした妊婦の不安を緩和しようと、米Owlet Baby Careは就寝時に胎児の心電などを計測するセンサー「Owlet Band」を開発した。

妊婦の睡眠時における胎児の様子を確認できる(写真:日経 xTECH)
クリックすると拡大した画像が開きます

 幅広の腹巻きのような形状をしたバンドの内側にECG(心電図、electrocardiogram)電極を設けた。2019年4~5月にテスト販売を開始する予定。Owletは2013年に設立したベンチャー企業で、新生児・乳児の血中酸素レベルや心拍などを検出する靴下型センサーや監視用カメラを扱っている。胎児を対象とした製品は今回が初とする(日経 xTECHの詳細記事)。

血圧計測できるスマートウォッチ

 オムロン ヘルスケアは、FDAの医療機器認証を受けた血圧計機能を内蔵するスマートウォッチ「HeartGuide」を2018年12月20日に米国で発売し、CES 2019で展示した。保険制度などから疾病予防に関心が高く、ウエアラブル機器需要も高い米国で先に販売を開始するもので、日本での発売は2020年春を予定している

 血圧は、腕などに巻くカフと呼ばれる袋内の空気の圧力を高め、その圧迫によって一旦血流を止めてから、徐々にカフ内の空気の圧力を下げていくことで計測する。今回のスマートウォッチ型品の場合は、従来の腕に巻く血圧計よりも幅が細い小型のカフをバンド内に複数搭載して、確実な圧迫を実現できるようにした。

血圧計機能を内蔵するスマートウォッチ(写真:日経 xTECH)
クリックすると拡大した画像が開きます

 1日2回血圧を計測するとして、電池寿命は2~3日(1週間に2~3回の充電が必要)。プログラムにより、睡眠中の血圧も測定できるとする。このほか、活動量や心拍数、睡眠の質の計測が可能である(日経 xTECHの詳細記事)。