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2018/01/24 09:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

運動リハビリ治療機器「怒涛の開発スピード」

 トリを務めたのは、mediVR 代表取締役社長の原正彦氏。同社は、VR(仮想現実)とAI(人工知能)を活用した運動リハビリテーション治療機器を手掛けるベンチャーである(関連記事3)。

mediVRの原氏
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 原氏はまず、高齢化などに伴って、歩行を中心とする「運動機能のリハビリのニーズが爆発的に高まっている」と指摘。一方、運動リハビリを支援できる専門人材は不足気味で、しかも各人の技量に頼る部分が大きいという。そこで、個々人に適したリハビリを自動で提供できる手段が求められている。

 こうした状況から、mediVRは大阪大学および国立循環器病研究センターと連携し、体幹コントロールのためのプログラム開発を進めている。リハビリとは、最大運動耐用能を高める作業。この目的を意識し、mediVRは「VRを用いた定量指示」「3次元トラッキングによる定量評価」「AIによる目標値の再設定」という3つの特徴を備えた運動リハビリテーション治療機器を開発している。

 同機器は手を伸ばすことで体を揺さぶり、歩行に重要な要素である体幹バランスを鍛える。その際、体幹バランスの定量化にHMD(ヘッドマウントディスプレー)とコントローラーを用いたVRを活用。目標値の最適設定に、AIを活用する。デュアルタスクと呼ばれる頭を使いながらの運動を課すことで、運動機能と認知機能を同時に鍛え、高齢者の転倒リスクなどを減らせることが大きな特徴である。「こんなことができるといった提案では、現場では使われない。我々が提案する体幹コントロールは、VRでなければ実現できない。マストハブ(Must have)だ」(原氏)。

 強調したのが、2017年9月に基本特許を取得した後の開発のスピード感だ。通常は1.5~2年を要するという安全性試験を3カ月で完了し、2017年11月には医療機器専門ベンチャーキャピタルからの出資が決定。同年12月に医療機関への導入が決まり、2018年1月には医療機器製造販売許可を取得した。

 医療機関や老人ホーム、フィットネスクラブなど法人向けの提供を計画しているほか、個人向けも対象とする。既に導入が決まった医療機関のほか、介護施設やデイサービス事業者などから声が掛かっているという。同社の治療機器は「ノンバーバル(非言語)のコミュニケーション手段。グローバルに展開できると考えている」(原氏)。

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