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経産省主催ビジコン、ベンチャー5社の激闘に沸く(page 3)

2018/01/24 09:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

病気を抱える人こそ健康づくりを

 続いて、名古屋大学医学部発ベンチャーのPREVENT代表取締役を務める萩原悠太氏が登壇。脳梗塞や心筋梗塞などの再発予防(3次予防)を支援するインターネットサービス「iPrevent」を紹介した。

PREVENTの萩原氏
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 昨今のヘルスケアサービスの多くは、もともと健康に対する意識が高い健康な人を対象に、健康増進や病気予防を支援する。これに対しPREVENTは「病気を抱える人に健康づくりのプラットフォームを提供する」(萩原氏)ことを目指す。病気になってしまった人に対し、その重症化や再発を防ぐことを支援する形だ。

 例えば脳梗塞では、治療後に再発を起こす患者が少なくない。脳梗塞患者を外来診療だけでフォローした場合の再発率として、約30%という数字が報告されている。これに対し、生活習慣を改善することで、この再発率を約1/10に抑えられるとの研究結果がある。

 こうした視点に立って、iPreventは脳梗塞や心筋梗塞の患者の生活習慣改善をインターネットで支援。これにより、再発のリスクを下げる。医療専門家によるサポートをPREVENTが提供しながら、アドバイスやeラーニング、ライフログとそのアセスメント、主治医との連携などを通じて生活習慣改善を支える。萩原氏がかつて研究者として所属した、名古屋大学大学院医学系研究科のノウハウをもとに開発したサービスである。

 糖尿病や高血圧など、生活習慣病患者の重症化予防もサービスの対象だ。健康保険組合や生命保険会社を通じて、被保険者や保険契約者向けの付帯サービスとしてプログラムを提供している。

 2017年4月にサービスを開始しており、6ヶ月間にわたるプログラムの提供価格は約10万円。脳梗塞や心筋梗塞を再発したり、糖尿病が重症化したりした場合にかかる医療費を考えれば、十分にペイできるとした。効果の一例として、プログラムを通じて利用者の血圧を8.3mmHg下げることに成功。血圧を10mmHg下げると、脳卒中や虚血性心疾患のリスクを20%以上下げられることが知られている。

カンパニーケアとセルフケアの両輪で

 4番手として登壇したのは、iCARE COOの片岡和也氏。“中小企業でも大企業並みの産業衛生体制を実現できる”ことをうたった健康経営支援サービス「Carely」を紹介した。

iCAREの片岡氏
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 Carelyは、カンパニーケア(職場の環境づくり)とセルフケア(個人の行動づくり)という2つの側面から、企業従業員の健康づくりを支援する。「この両輪を回してこそ、予防を実現できる。企業にとっては生産性が上がり、採用力も高まり、不調者の早期発見にもつながる」(片岡氏)。

 サービスの特徴は大きく3つある。第1に、従業員の健康診断やストレスチェックの結果、勤怠情報などを、クラウドに取り込んで一元管理できる。第2に、取り込んだ健康データを自動解析できる。これにより「組織として、どこ(どの層)にアプローチすべきかが分かる」(片岡氏)。第3に、専門家による介入が可能だ。チャットを介して医師や保健師に相談ができるほか、ハイリスク者にアドバイスやコンテンツを提供するような使い方もできる。

 サービス開始からの1年半で、既に80社以上が採用した。利用者数は約1万5000人に達しており、利用継続率は9割を超えるという。

 今後は医療費削減や働き方改革につながるソリューションを、パートナー企業と連携しながら構築していく。AI(人工知能)ボットを活用したサービスの効率化なども検討するという。「不調になったら、まずはCarelyに相談する。そんな予防医療のインフラを目指したい」(片岡氏)。

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