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経産省のグレーゾーン解消制度受け、「健康」事業に切り込む

2016/11/14 16:15
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

主婦や退職者の受診率を懸念

 からだ健診ギフトカードの一番の狙いは、健診受診率を向上させること。家族からギフトカードの形で健診をプレゼントされれば、「受診してみようと思うのではないか」(奥山氏)。

 厚生労働省の2014年の調査によると、過去1年間に健診を受けていない人は男性27.8%、女性37.1%。特に主婦や自営業者、退職者の受診率が低いという。「会社に属さず、健診が義務付けられているわけではないため、受ける機会がないのではないか」と奥山氏は推察する。

 諸外国と比べても、日本の受診率の低さは際立つ。厚生労働省の2013年の調査によると、子宮頸がんや乳がんの検診受診率は、米国や英国が60~80%の受診率なのに対し、日本はどちらも50%に届かない。

日本人間ドック健診協会 理事で医療法人社団同友会 理事長の髙谷典秀氏
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 発表会に登壇した日本人間ドック健診協会 理事で医療法人社団同友会 理事長の髙谷典秀氏は、全体の受診率の低さだけでなく、何年も健診を受けていない人がいることも問題視する。「日本では、受ける人は受け、受けない人はほとんど受けないという傾向が大きくみられる」(髙谷氏)。たとえ受診率が50%でも、さまざまな人が数年おきに受けている場合と、毎回同じ人が受けている場合ではその数値の意味合いが変わることを指摘した。

 髙谷氏は、定期的に繰り返し健診を受けている人と何年もまったく受けずに初めて健診を受けた人の乳がん検診結果の比較を例に挙げた。「がんの発見率は繰り返し受診者が0.18%、初回受診者が0.36%と、定期的に受診していない分、初回受診者は高い確率でがんが発見されることがわかる」と髙谷氏は話す。

 がんを早期のうちに発見できた割合は、繰り返し受診者が83.1%、初回受診者が73.7%。「定期的に受けていない場合、進行した状態で発見される確率が上がることが確かめられた」(髙谷氏)。

 健診や人間ドックは、常に新しい知見に基づいた検査を実施している。デンスブレスト(高濃度乳腺)の女性に対しても高精度な乳がん検診ができるよう、マンモグラフィーだけでなく超音波を使った検査を取り入れているのもその1つ。「疾病の早期発見、さらには健康寿命の延伸のためにも定期的に健診を受けてほしい」と髙谷氏は呼びかけた。

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