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ヘルスケアアプリ療法は生活習慣病に有効か

国分寺さくらクリニックが臨床研究

2016/11/08 12:10
増田 克善=日経デジタルヘルス

 「生活習慣病におけるヘルスケアアプリ療法は、食生活の改善、臨床検査数値の変化量に有意差がみられ、有用性が期待できる」――。臨床検査値の推移や生活習慣を記録するアプリの臨床的効果を検証している国分寺さくらクリニック(栃木県下野市)。院長の村田光延氏は、こう語る。

国分寺さくらクリニック院長の村田氏。ウェルビーが開催した「ペイシェント・セントリック・マーケティング セミナー2016 Autumn」で、「PHRの活用による生活習慣病治療」と題して講演した
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 国分寺さくらクリニックは、「KIT Study」(国分寺IT臨床研究)と呼ぶプロジェクトに取り組んでいる。「臨床検査値の推移や治療の遵守を記録するアプリケーションソフト、サービスが徐々に診療現場に普及しつつあるが、臨床的効果の検討は未だ不十分」(村田氏)とし、その効果に関して検討・検証することを目的にしたものだ。

 具体的な検証は、自治医科大学と協力し、同クリニック来院患者のうち、HbA1c値が5.6%以上(上限なし)の生活習慣病患者(40~75歳)を対象に、アプリの利用群・対照群(非利用群)を設ける。初診・1カ月後・3カ月後・6カ月後・12カ月後の採血データの推移から生活習慣改善、生活指導などにおけるアプリの臨床的効果を検討する。

 臨床研究には、ウェルビーが開発した「Welbyマイカルテ」を利用している(関連記事)。利用患者は臨床検査値や治療状況(食事、運動)をスマートフォンで記録するとともに、日常生活でモニター可能な体重や血圧、自己血糖測定値を任意の頻度で記録・提供する。これらを基に生活習慣の自己管理を行うと同時に、コミュニケーション機能を利用して同クリニックに所属する管理栄養士が生活指導・食事指導を行っている。

 食事指導は従来、患者が何を食べたか聞き取る、あるいは手書きの記録を基に行われていた。これに関して村田氏は、「(食事内容を)写真でクラウドにアップするだけの簡単さが持続性につながり、指導する側も食事状況が的確にわかる」とし、つかみにくかった生活習慣の実態が把握可能になるメリットを挙げた。また、「管理栄養士のアドバイス、励ましのメールを楽しみにする患者も多い」と述べた。

ムリに晩酌を止めず…

 実際の症例として挙げた患者は、高血圧治療で通院する50歳の男性で、検証開始時の検査値が空腹時血糖値 154mg/dl、HbA1c 6.2%、BMI 31.1kg/m2(肥満2度)。単身赴任が長く、自分の好きなように食べ、喫煙はしないが毎日の晩酌は欠かせないという。こうした生活習慣を踏まえ目標設定は、ムリに晩酌を止めず、昼食の脂質を抑えること、夕食はタンパク質を摂取すること、塩分を控えることとした。「食事指導で大切なことは、患者の食文化、ライフスタイルを尊重して改善できるかという点。記録すること、指導により徐々に病識が向上し、体重とHbA1c値に改善がみられた」(村田氏)という。

 また、記録式ICT(Welbyマイカルテ)の利用によるクリニック側のメリットは、患者の生活習慣聞き取りの時間が大幅に削減でき、生活状況の把握が容易になったことだとする。「削減された時間を指導および目標相談にあてることができ、指導の質向上が図れる」(村田氏)。

指導や目標相談に時間を割くことが可能になり、指導の質が向上
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