夜盲症の人を支援するウエアラブル

HOYAが全国販売、月夜の明るさでも明るいカラー画像を表示

2018/11/05 07:00
河合 基伸=日経 xTECH

 HOYAは暗所で物が見えにくい夜盲症の人の支援を目的とする暗所視支援眼鏡「HOYA MW10 HiKARI」を2018年11月から全国販売すると発表した。カメラで捉えた光を増幅してディスプレー部分に明るいカラー画像を投影する眼鏡型のウエアラブル端末になる。価格は39万5000円(税別)。

暗所で物が見えにくい人を支援する眼鏡型のウエアラブル端末
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 夜盲症は暗所で物が見えにくくなるため、夕方から夜間の行動範囲が限られ、日常生活に制限が生じる場合がある。HOYAは2014年に開発に着手し、2016年に最初の試作品を完成させた。その後も試作を繰り返し、合計8回の試作を経て製品化にたどり着いた。

 都内で開催した記者発表で、同社MWプロジェクト室長の石塚隆之氏は「カラーで見えることにこだわった」と話した。そのために白黒表示になる赤外線カメラではなく、カラーで表示できる低照度高感度カメラを独自に開発した。眼鏡に設置したカメラで捉えた光を増幅して、有機ELディスプレーに明るいカラー映像を表示し、ハーフミラーに投影する構造になっている。月夜の明るさ程度まで対応できるという。

繰り返した試作

眼鏡部分とコントローラー部分で構成する
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 夜盲症の人に実際に試してもらいながら試作を繰り返した。カメラ部分の開発とともに、約130gの眼鏡部分の重さを分散させて軽く感じる構造を追求した。

 眼鏡とコードでつながった箱型のコントローラーに電池を搭載しており約4時間の駆動が可能。コントローラーを操作して周囲の環境や目の調子に応じて明暗の調整をしたり、倍率を0.2~9.0倍に変更したりする機能を備える。

 2018年春から一部地域でテスト販売してきたが、全国販売の準備が整ったため本格的に販売を開始することにした。利用時には視野が狭くなったり、距離感が異なったりするため、事前に使用トレーニングをすることを推奨している。