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精神科クリニックが挑戦する遠隔診療、見えてきた成果と課題

新六本木クリニック――選定療養費で受診行動のコントロールも

2016/10/15 08:00
増田 克善=日経デジタルヘルス

 遠隔診療の導入によって、精神疾患患者の状態に応じた最適な診療を行うことを目指して2016年1月にオープンした新六本木クリニック(東京都港区六本木)。実際に遠隔診療を組み合わせた精神科外来の受付を同年2月に開始して以来、どのような課題や成果が見えてきたのか――。

 新六本木クリニックは、2010年より奈良市で精神科・心療内科診療所院長を務めていた来田誠氏が、治療からのドロップアウトや受診をためらうことを原因とする症状悪化などを遠隔診療で解決するために開設した。遠隔診療を取り入れた精神科外来診療の効果の検証・確立を目指している。

 遠隔診療システムには、メドレーが運営するオンライン通院システム「CLINICS」を導入。診察に先駆けてのオンラインによる問診票入力、オンライン予約による対面診療、その後のビデオチャットによる遠隔診療、クレジットカードによる診療費決済、薬の配送までを行っている(関連記事)。

CLINICS運用例(メドレーの発表資料から)
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実施対象は“予定された遠隔診療”

 新六本木クリニックが遠隔診療の対象としているのは、保険診療と保険外診療(自由診療)の両方だが、現在のところ“予定された遠隔診療”に留めている。基本的には、前日までに患者からの依頼を受けオンライン診察の時間確定を行い、実際にビデオチャットを実施する。「緊急時の電話相談のような電話診察はタイムリーに受けているが、遠隔診療としては行っていない」(来田氏)。

 対象とする疾患についての制限は原則的に設けず、うつ病などの気分障害、統合失調症を中心に神経症障害や広汎性発達障害など、ほとんどの疾患を対象としている。「対象を規定する根拠は病状であり、厚生労働省の通達にもあるように急性期には遠隔診療を用いないことが大原則。仮に軽症のうつ病であっても急性期には適用しない。投薬の細かな調整や緊急に対応しなければならないことが高い確率で考えられる場合は、1~2カ月の対面診療を原則として、病状が安定して投薬も変更がない状態において遠隔診療の対象としている」(来田氏)と説明する。

 また、急性期を脱した患者に対し、6カ月、12カ月の治療見込みをクリニカルパスという形で患者に提示しているが、その期間内に心理神経検査や血液検査で副作用検査を行うようなタイミングでは来院を促しているという。「それ以外に問題がなく前回処方通りの投薬をするような診察見込みの場合でも、オンライン受診とするか、対面受診とするか患者に選択してもらっている」(来田氏)と現状を話す。

 一方、保険外診療については、カウンセリングや精神保険相談としてオンライン通院システムの利用が考えられている。「精神科では、従来からケースワーカーや医師による医療相談が比較的多く行われている。例えば、家族から患者の様子が思わしくないので連れて行った方がいいかといった精神保険相談を受けることがあり、これらは保険診療外で行われている。そうした医療相談に対して、よりハードルを低くなるのではないか」と、遠隔医療相談の有用性を評価する。

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