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東京大学、がん遺伝子パネル検査の臨床試験を開始

今後1年半で200症例の解析を目指す

2018/10/09 09:00
河合 基伸=日経 xTECH

 東京大学は2018年10月4日、がんにかかわる複数の遺伝子変化を一度に調べる、いわゆるがん遺伝子パネル検査の臨床試験を先進医療Bとして開始すると発表した。1回の検査でDNAとRNAのそれぞれ450以上の遺伝子を解析できるため、幅広いがん腫で適切な治療の選択肢を示せる可能性がある。1年半の間に200例の症例の解析を目標とし、将来的には薬事承認と保険適用を目指す。

臨床性能試験の開始について東京大学が記者会見を開催した
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 今回、先進医療Bとして開始する「Todai OncoPanel」は、東京大学が独自に開発したがん遺伝子パネル検査。450以上の遺伝子の変異・増幅を検出するDNAパネルと、450以上の遺伝子の融合転写産物などを検出するRNAパネルで構成する。分子標的治療薬の選択に直結する融合遺伝子の検出精度が高く、診断に寄与する融合遺伝子も高い精度で検出できるといった特徴がある。今回の臨床試験で臨床的有用性を検証する。

DNAとRNAのそれぞれ450以上の遺伝子を解析できる
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 標準治療がない患者などを対象にし、腫瘍組織検体と正常ペア検体から核酸(DNA/RNA)を抽出し、次世代シークエンサーで遺伝子解析を実施する。得られた配列結果をデータベースと照合して、体細胞変異や生殖細胞系列変異を決定する。結果に基づきレポート原案を作成した後、専門家で構成するエキスパートパネルで結果の意義付けを行い、最終的なレポートとして診療科の医師に報告する。

 遺伝子解析は理研ジェネシスに、得られた結果の分析はテンクーに委託する。入院や外来診療に関わる費用は保険診療だが、ゲノム検体の作成や遺伝子解析に関わる費用、人件費は患者の自己負担で91万5000円になる。

遺伝子解析は理研ジェネシスに、得られた結果の分析はテンクーに委託する
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