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完全オーダーメードの人工補正具、中村ブレイスに迫る

2018/09/12 07:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

「利益はほとんど追求しない」

 一般的な義肢や装具は、医療機関を受診した患者の治療や更生を目的として使われるため、医療保険が適用される。中村ブレイスでは、こうした一般的な義肢や装具も手掛けている。

 これに対して、前述の装飾用にリアルな見た目を追求したメディカルアート研究所の製品は、保険が適用されない。ただし、できるだけ利用しやすい価格帯に設定し、ほとんど利益を追求していないと同社 代表取締役 会長の中村俊郎氏は公言する。

 例えば、手指1本であれば保険適用製品が総額7~8万円で、そのうちの一部を患者が負担割合に応じて支払う。一方、メディカルアート研究所の製品はもちろんこれより高額となるが、利用者の負担を総額10万円ほどにとどめている。「会社まで足を運んでくれる患者なら、できるだけ経済的負担がかからない価格設定にしたい」(中村宣郎氏)という思いが込められている。

メディカルアート研究所。酒蔵だった建物を利用した
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 こうした姿勢もあって、同社には働きたいと門を叩く学生が数多く訪れる。「大学や専門学校に通う前から卒業後は中村ブレイスで働きたいと言ってくれて、今では一緒に義肢を作っている社員も何人かいるほどだ」と同氏は目を細める。

 利用者にとってベストな製品を届けるという心意気は、「社員にずっと持ち続けてもらいたい」と同氏は語る。いずれは3Dプリンターなどの導入も検討しているが、繊細な技術が必要になるためすぐにロボット技術に置き換えられるものではない。当面は、引き続き企画力や開発力を生かして、屋台骨を支えるような製品作りを行っていきたいとしている。

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