“匠の技”にも例えられる熟練医の診察スキルを人工知能(AI)で再現し、全国の臨床医の手元に届ける――。臨床とテクノロジーの両方に精通した医師2人が2017年11月に立ち上げ、ここへきて本格的に始動させた医療機器ベンチャー、アイリス(Aillis)が掲げるのはそんな目標だ。

 第1弾として、インフルエンザ診断を支援する機器を開発中で、2018年11月に臨床研究を始める。臨床試験(治験)と薬事承認取得を経て、2020年に発売することを目指す。

アイリス 代表取締役CEOの沖山翔氏
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 アイリス 代表取締役CEOの沖山翔氏は、救急医であるとともにAIをはじめとする情報学の研究者でもある。共同創業者で同社取締役CSO(Chief Strategy Officer)の加藤浩晃氏も、眼科医でありながらデジタルヘルス分野への造詣が深く、関連する政策動向などにも通じている。

 そんな2人が新会社で力を入れるのは「診察×AI」の領域だ。AIの医療応用といえば、これまではX線CTやMRI、内視鏡などの画像診断をAIで支援する検査領域の試みが多かった。そうした中、診察という領域に目を付けたのはなぜか。そこでのAIの可能性とは。アイリスが目指す医療の姿について、沖山氏に聞いた。