米NVIDIA社日本法人のエヌビディア合同会社は2018年5月上旬、ヘルスケア事業に関する説明会を開催した。米国本社から担当役員(Vice President of Healthcare)のKimberly Powell氏が来日し、ヘルスケア分野の新たな取り組みなどについて説明した。

NVIDIA社 Vice President of HealthcareのKimberly Powell氏
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 NVIDIA社は2018年3月、医療画像分野の新たなプロジェクト「Project Clara」を立ち上げた。画像診断機器向けに仮想的かつスケーラブルなGPU(画像処理プロセッサー)環境をクラウドで提供する。「医療画像分野ではもともと高い演算能力が求められるが、この先AI(人工知能)が加わることでその傾向が強まる」(Powell氏)ことを踏まえた取り組みだ。

 同社によれば、医療画像分野に求められる演算能力は近年急増しており、過去6年間で約10倍に高まったという。特に、画像再構成などに大きな演算能力が必要になっており、AIの負荷も加わりつつある。

 こうした状況から、Project Claraの立ち上げと並行して画像診断装置メーカーとの関係を強化。2017年11月に米GE Healthcare社、2018年4月にはキヤノンメディカルシステムズとそれぞれ、医療画像解析へのAI活用を中心とする提携を発表した(関連記事1同2)。

 ヘルスケアベンチャーとの距離も急速に縮めつつある。NVIDIA社は「Inception Program」と呼ぶプログラムを通じ、深層学習(ディープラーニング)技術に強みを持つスタートアップ企業約2800社に対し、支援や大企業とのマッチングを行っている。このうち「最も大きな割合を占めるのがヘルスケア分野」(Powell氏)というほど、ヘルスケアの比重は高まっている。

 医療画像分野を中心に、ヘルスケアベンチャー約300社が同プログラムに参加。日本からはエルピクセル、エクサウィザーズ、情報医療、オプティムなどが名を連ねている。