これがオンライン診療の現場、「臨時往診がゼロに」(page 3)

福岡市の2医療機関が在宅・外来での実施例を報告

2018/02/28 10:30
大下 淳一=日経デジタルヘルス

「生活の場」での医療を可能に

 にのさかクリニック(福岡市)院長のニノ坂保喜氏も、実証に参加した医師の一人。「実証参加医師からみたオンライン診療 ―外来診療ケース報告―」と題し、外来診療にオンライン診療を導入した事例を報告した。

 にのさかクリニックは外来診療と訪問診療を行っており、常勤医2人、非常勤医7人、看護師10人の体制で1カ月に約500人の患者を診ている。

にのさかクリニック院長のニノ坂保喜氏
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 今回、高血圧症や糖尿病など生活習慣病患者の外来診療にオンライン診察を取り入れ、その効果を検証した。糖尿病を患う80代男性の例では、1カ月に1回ほどの外来診療の合間をオンライン診察で補った。この患者は病状が不安定で3年前には脳梗塞も発症しており、通院に家族の介助が必要なことから、オンライン診療が有用と考えた。

 こうしたケースでのオンライン診療の利点としてニノ坂氏は、受診のハードルを下げられることや、密度の高い診療を提供できることを挙げている。患者や家族の“生活の場”に触れられるメリットも大きい。「医療者にとってはオンライン画面を通して患者や家族の生活の様子が見え、患者や家族にとっては生活の場から話ができる。結果として、医療者に対して気軽に相談できる関係性を築きやすい」。

 一方、オンライン診療に関する懸念として、便利であるがゆえに患者や医師が対面診療を軽視する姿勢につながる恐れがあるとした。そうなってしまえば、オンライン診療を使うことで異常の発見がかえって遅れるといったリスクもあるとニノ坂氏は指摘している。

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