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“ジェネリック医療機器”の推進へ

「単回医療機器再製造推進協議会」が発足

2018/02/07 10:30
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

 1回限り使用できることとされている医療機器、いわゆる「単回使用医療機器(Single-use device、SUD)」。その再製造を発展させる目的で、「単回医療機器再製造推進協議会」が発足した。産学官の連携によって再製造SUD を新しい産業として育成することを狙う。

 再製造SUDに関しては、厚生労働省が2017年7月に新しい通知を発表し、法律整備を行った。使用済みのSUDを医療機器製造販売業者が収集し、分解や洗浄、部品交換、再組立て、滅菌などの処理を経て再び使用できるようにする新たな仕組みを設けるとしたのである。

 これを受けて協議会では、再製造SUDに関する関係省庁との連絡や技術的課題の検討、海外状況の情報収集と発信などを行う考え。現時点で、企業会員として日本ストライカーやオリンパス、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど9社が名を連ねており、今後は多くの関連企業の参加を呼び掛けていくという。

再製造したEPカテーテルを機能テストしている様子
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 協議会は、再製造SUDを推進するに当たり、4つの目的を掲げている。すなわち、(1)医療製品の有効利活用、(2)安全性、(3)環境保全、(4)経済性、である。

単回医療機器再製造推進協議会 理事長の松本謙一氏
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 (1)の医療製品の有効利活用を通じて、「医療機器用の部材が枯渇し、調達がままならないことを防ぐ」と同協議会 理事長の松本謙一氏は述べる。今ある資源を有効に活用し、質の高い医療を持続させたい考えだ。

 (2)の安全性に関しては、「国内でも滅菌切れの製品を使用していたという事例が報告されている」と国際医療福祉大学大学院 医療福祉経営管理分野 教授の武藤正樹氏は指摘する。病院が独自の判断でSUDを再使用してしまえば、安全性や性能が保証されず、感染や製品劣化につながるリスクがある。

 (3)の環境保全に関しては、「医療機関のゴミの量を減らすことが必要」と東京女子医科大学医学部 特任教授の上塚芳郎氏は話す。現在は、医療機関で出た廃棄物はお金を払って処理しているため、環境保全に加えて病院経営にとっても再製造は必要というわけだ。

国際医療福祉大学大学院 医療福祉経営管理分野 教授の武藤正樹氏
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東京女子医科大学医学部 特任教授の上塚芳郎氏
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 (4)の経済性に関しては、再製造したSUDは「オリジナル品に比べて安価」という特徴を松本氏は強調する。廃棄コストの削減に加えて、医療費削減の一助としたい考えである。

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