スマホでどこでも眼科の検査が可能に

2019/01/31 15:30
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

 スマートフォンで、診察室で行う眼科検査を可能にする――。そんな技術を開発しているのが慶應義塾大学発のベンチャー企業OUIである。同社 取締役の清水映輔氏は「Care Show Japan 2019」(2019年1月23~24日)内の「ヘルスケアIT 2019」のセミナーに登壇し、開発中のデバイスを紹介した。

 同社が開発しているのは、スマートフォンで眼科検査を行うことができる「Smart Eye Camera」だ。レンズを搭載したアタッチメントをスマートフォンに装着して使うことで、眼球の状態などを観察したり動画に記録したりすることができる。既にプロトタイプが完成しており、2018年度中に臨床研究を開始し、いずれは医療機器の承認取得を目指すという。

「Smart Eye Camera」(提供:OUI)
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OUI 取締役の清水映輔氏
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 まずは離島や災害時、途上国などで使用することを想定している。いずれは、「遠隔診療にも応用したい」と清水氏は話す。

 眼科の診療現場では、2種類の機器を使って目全体を検査する。すなわち、前眼部を検査する細隙灯顕微鏡と、眼底を検査する眼底鏡だ。しかし、途上国ではこうした機器が整備されていない場合もある。

 OUI 取締役の清水映輔氏は、手術や診察を行うために訪れたベトナムで、現地の医師や看護師はスマートフォンを使って目視で眼球構造を確認している様子を目の当たりにしたという。医療機器が整っていない環境で、どうにかして診察を行おうと奮闘していたのだ。

使用イメージ(提供:OUI)
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 その光景にヒントを得て開発したのが、Smart Eye Cameraだった。実は、眼科の検査が行えるポータブル機器も既に存在するが、「機器が大きくて高価で、1台で前眼部と眼底両方の検査が行えるわけではない」という課題があった。

 Smart Eye Cameraは、アタッチメントを装着すれば光の色や形を加工したり焦点を合わせたりできるため、1台で前眼部と眼底の双方を検査することが可能だ。現在はiPhoneのみに対応しているが、「今後は他機種に対応するアタッチメントも開発していきたい」と清水氏は意気込む。

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