デジタルガレージ主催ピッチコンテスト、バイオヘルス関連4社が競う

「Open Network Lab BioHealth 1st Demo Day」から

2019/01/17 19:30
河合 基伸=日経 xTECH/日経デジタルヘルス

 デジタルガレージは2019年1月16日に、「Open Network Lab BioHealth 1st Demo Day」を開催した。バイオヘルス関連のベンチャー4社が登壇し、デジタルガレージ関係者などが選ぶベストチーム賞、パートナー企業が選ぶパートナー賞、来場者が選ぶオーディエンス賞を競った。

バイオヘルス関連のベンチャー4社が登壇
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 ベストチーム賞に選ばれたのは、がんの克服を目指す大学発創薬ベンチャーのユナイテッド・イミュニティである。がんの治療に免疫チェックポイント阻害薬などの免疫療法が注目されているが、免疫療法に抵抗性がある「Cold Tumor」と呼ばれる難治性がんがあるという。

ユナイテッド・イミュニティの代表取締役社長の原田直純氏
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 そこでユナイテッド・イミュニティは、独自の抗がんT細胞活性化技術「T-ignite」を用いて、免疫療法を効くようにする研究を進めている。登壇した代表取締役社長の原田直純氏は「Cold Tumorの克服が、これからのがん治療のカギを握る」として、ベンチャーに不足している人材と資金、大手企業との連携を求めた。

Mealthyの代表取締役の鈴木勝之氏
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 パートナー賞に選ばれたMealthyは、スマートフォンで栄養士から食生活のアドバイスを受けられるアプリを提供している。管理栄養士とAIを組み合わせて費用対効果を高めているのが特徴。食事の写真を送付すると画像解析からAIが複数のアドバイス候補を作成する。その中から管理栄養士が最適なアドバイスを選んで編集した後に、ユーザーに提示する。管理栄養士のみだと5分ほどかかるところを、AIとの連携で1分程度に削減できるという。今後は認知行動療法を取り入れるとともに、将来は医療領域での栄養指導なども目指していく。

吃音症をVRで改善する

 来場者が選ぶオーディエンス賞は、吃音(きつおん)症を改善するトレーニング用のVRアプリを開発するAdversity Projectが獲得した。成人の吃音症は治りにくく、改善しようと思っても専門医が少ないといった課題があるという。吃音VRプロジェクトリーダーの梅津円氏は接客業のアルバイトで吃音症を改善した経験があり、その経験を生かして自分のペースで練習できるVRアプリの開発に着手した。面接やプレゼンテーション、自己紹介といった緊張しやすい場面をVRで再現しており、繰り返し練習できる。今後は話し方によって相手の反応が変わるといった双方向のコンテンツの作成も検討する。

Adversity Projectの吃音VRプロジェクトリーダーの梅津円氏
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 残る1社のERISAは、認知症の治療薬の開発を支援するコンパニオン診断プログラムを提供する。認知症の治療薬の開発は難しく失敗も多いという。原因の1つに、軽度認知障害から認知症に進行する患者の比率が低く、治療薬の有効性を確かめにくい点を挙げた。そこでERISAは脳のMRI画像を解析して、軽度認知障害から認知症に進行しない患者を見分けるプログラムを開発した。このプログラムを活用した(1)過去の治験の再検証、(2)今後の治験の被験者のスクリーニングのほか、(3)プログラム自体の販売を計画している。

 Open Network Lab BioHealthは、バイオヘルス分野のスタートアップ企業を育成するプログラムで2018年9月に始まった。56社・団体から応募があり5社が選ばれ、今回はMealthy、ユナイテッド・イミュニティ、Adversity Project、ERISAの4社が登壇した。デジタルガレージでは今後も、バイオヘルス分野のスタートアップ企業を育成するプログラムを継続する意向である。