SOMPOリスケアマネジメント執行役員の足立慎一氏(出所:日経BP)

経済産業省は、太陽光と風力発電産業の競争力強化に関する研究会を立ち上げ、10月17日報告書を公表した。風力発電競争力強化研究会に委員として携わったSOMPOリスケアマネジメント執行役員の足立慎一氏に、太陽光と風力発電の事業リスクと今後のO&M(運営・保守)の方向性などに関して聞いた。

日照や風況より災害リスクが課題に

――太陽光と風力発電の競争力強化研究会の報告書では、いずれも長期・安定稼働に向けたO&Mの効率化や高度化の重要性が強調されました。

足立 これまで太陽光と風力発電における事業リスクとしては、太陽光なら日照、風車なら風況が分析の対象でした。プロジェクトファイナンスの事業性評価では、風況や日照の変動リスクを詳細に分析します。例えば、売電収入が事前の想定を20%下回った場合のDSCR(デット・サービス・カバレッジ・レシオ=債務返済能力を示す安全性指標)など、発電事業の財務に与える影響などを綿密にシミュレーションしてきました。

 しかし、日照や風況の変動は、年ごとの多少のブレはあっても、20年間の平均で考えると、それほど大きくないということが、だんだんわかってきました。むしろ、事故や災害による損害リスクがかなり大きい。つまり収入減のリスクよりも、災害や事故などによる予期せぬ支出増のリスクが問題になってきました。

 競争力強化研究会でも、こうした災害への対応や事故を減らすような「予防保全型O&M」の重要性が議論されました。

――事故や災害による損害は、保険でカバーするというのが一般的ですし、ほとんどの風力や太陽光発電事業では、保険契約をしています。

足立 風力や太陽光事業では、事故や災害への備えとして、「保険会社と契約しておしまい」というのが一般的です。しかし、保険で損害のすべてがカバーされるわけではありませんし、免責事項もあります。カバーする範囲を広げると保険料が高くなりますし、実際に事故が起きて補償を受けると、保険料が上がります。