メーカーによる傾向の違いはそれほどない

――同じ品種でも、メーカーごとの違いはありますか。

 単結晶シリコン型や多結晶シリコン型では、メーカーによる傾向の違いはそれほど見られません。

 品種ごとでも、CIGSの化合物型では、発電開始後に発電量が上昇して落ち着いていく傾向が見られる場合もあれば、下がって行くような傾向が表れる場合もあり、さまざまです。この違いが、どのような原因によるものなのかは、まだ明確にできていません。

 いずれにしても、複数の品種や複数メーカーの製品を設置して、実際に発電を続けているからこそ、見えてくる傾向ですので、今後とも続けていくことで、産業界により有益な情報を提供できるようになると考えています。

――CIGSの太陽光パネルを採用した太陽光発電所のなかには、稼働後に一種のエイジングのような時期を経ることで、当初よりも出力が伸びる傾向があると聞きます。このような発電事業者が喜ぶような傾向がある一方、逆に発電量が下がって落ち着く場合もあるのですね。

 われわれの場合、市販された太陽光パネルを購入して、一堂に集めて並べているだけで、これらのパネルを分解したり、解析したりしていないので、発電量の傾向以外の状況は、まだ言及できません。

PIDの疑いのIBCパネル、LIDが生じたPERCパネル

――技術革新が進み、新たな品種の太陽光パネルが市販され始めていることに対応して、例えば、結晶シリコン型ではn型の単結晶、「HIT」に代表されるヘテロ接合、バックコンタクト(裏面電極:IBC)、PERC(Passivated Emitter and Rear Cell:裏面不動態型セル)、化合物半導体型ではカドミウム・テルル(CdTe)型なども設置しています。これらの新タイプのパネルについてはどんな傾向ですか。

 2016年6月に追加した後、約半年後の12月にI-V(電流-電圧)特性などを調べてみると、PID(potential induced degradation)によるものと推測している不具合や、LID(light induced degradation)と呼ばれる「光誘起劣化」が生じたパネルがあることがわかりました(図4~5)。

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図4●2016年6月に新たに導入したパネルのI-V特性の変化
導入してから約半年間で、IBCのパネルではPIDによるものと推測される不具合、PERCの2社のパネルではLIDによる不具合が見られた(出所:産総研 太陽光発電研究センター)
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図5●2016年6月に新たに導入したパネルのI-V特性や電位の変化
導入してから約半年間のI-V特性や、電位と性能変化の関係を調べた(出所:産総研 太陽光発電研究センター)
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