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特集

「間違った雑草対策でメガソーラーが悪者に」。緑地雑草科学研究所・理事に聞く(第3回)(page 3)

メガソーラービジネス・インタビュー

2016/10/12 00:00
金子憲治=日経BPクリーンテック研究所
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機械除草は最もコストが高い

伊藤(幹) 雑草汚染という点では、道路敷なども、地域への環境負荷がかなり大きいのですが、それほど問題視されません。それは、道路は地域の重要インフラで、昔からあるものだからです。メガソーラーは、新参施設で、地域にとって必須でもありません。

伊藤(操) その道路敷さえも、雑草の繁茂を放置していると、住民から苦情が出てくるケースが増えているようです。道路行政の当局も、雑草対策への配慮を強化しています。

 単にパネルに影が掛からなければよいと考えるのでなく、地域環境への負荷を意識してそのリスクを診断し、雑草管理の目的を設定すべきでしょう。評判リスクにも配慮し、雑草の発生自体を抑制するのが理想的に思います。

――前回のインタビュー記事で、5つの対策(機械除草、化学薬剤、防草シート、被覆植物、植物性資材)を挙げました。それぞれの大まかな特性を教えてください。

伊藤(幹) まず、「機械(草刈機)による除草」は、除草管理技術の中でも、最もコストの高い方法というのが世界の常識です。雑草を抑制できる期間と、それに投じた作業時間や機械の稼働時間、燃料消費、CO2排出を考えると、相対的に費用対効果に劣っています。

 「防草シートの敷設」は、除草管理技術の中でも、最も長く雑草を抑制できる方法です。一般的に1回の敷設で5~10年間、雑草を抑制できます。ただし、場当たり的な敷設は景観を悪化させ、費用対効果の低下につながります。

 「被覆植物(グランドカバープランツ)の植栽」は、防草管理技術のなかでも、最も安価な方法と位置付けられます。何しろ、自ら繁殖して地表を覆ってくれます。シバが地面を覆うことで、雑草の種が地面に落ちて発芽するのを抑制する効果があります。1回の植栽で根付けば、費用対効果は高いと言えます。

 「化学薬剤(除草剤)の散布」は、雑草管理技術の中でも、精緻で正確に雑草を除去できる方法です。例えば、30日、60日、90日、120日などと、ほぼ正確に雑草の発生を止められます。また、有用植物と雑草を選択的に制御できることも特徴です。

 雑草管理のプランでは、これらのうち、どれか1つではなく、特性に合わせて組み合わせることになります。例えば、多少、コストをかけても雑草を抑制したい部分だけに防草シートを敷いたり、一定の期間だけ除草剤で抑制したりするなどのケースです。とにかく低コストで長期間、一定の防草効果を持続させるには、シバを植栽します。

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