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「防草だけじゃもったいない!マルチで環境改善を」、緑地雑草科学研究所に聞く(第6回・前半)(page 5)

メガソーラービジネス・インタビュー

2017/08/31 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテック研究所
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群を抜くヒノキの雑草抑制効果

――有機マルチ資材によって、雑草の抑制効果に違いがあるのですか。

伊藤操子氏
(京都大学名誉教授)

伊藤(操) これに関しては、2003~2004年にかけて、京都大学付属高槻農場(大阪府高槻市)で実施した試験結果がたいへん参考になります。これは角龍市郎氏(保土ヶ谷UPL=東京都中央区)によるもので、2012年10月に開催された緑地雑草科学研究所・第4回シンポジウムでも報告がありました。

 この実験では、14種類のマルチ資材を使って、雑草の抑制効果と土壌保全機能(地温、水分含有量、土壌硬度)について調べました。14種類の内訳は、針葉樹4種(アカマツ、ヒマラヤスギ、スギ、ヒノキ)、広葉樹3種(ツツジ、キョウチクトウ、アセビ)、被覆植物2種(ヘデラ、オカメザサ)、芝類3種(コウライシバ、ノシバ、ライグラス)、雑草2種(ススキ・チガヤ、ネズミムギ・イヌムギ)です(図6)。

図6●高槻農場でのマルチ資材の効果実験・被覆2カ月後の様子(出所:保土谷UPL・角龍市朗氏)
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 木本類はチップ化し、草本類はシュレッダーで裁断、芝草類はロータリーモア(草刈機)で刈り取った刈りカスを試験場に一定区画ごとに土壌表面を被覆しました。

 雑草の発生本数と生長量を見ると、資材により差がありますが、すべての資材で雑草抑制効果が認められました(図7)。なかでも、針葉樹の雑草抑制効果が相対的に大きく、特にヒノキの生草量の抑制効果は、群を抜いていました。

図7●各種マルチ資材の被覆下から発生した雑草量(出所:保土谷UPL・角龍市朗氏)
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