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どうなる中国の太陽光市場!?(後半)(page 3)

「補助金に頼らない太陽光ビジネスに転換へ」

2018/08/14 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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企業淘汰で市場は健全に

ここ数年、中国の太陽光市場の伸びは世界でも群を抜いており、世界の太陽光産業を牽引してきました。「531ニューディール」は中国の太陽光業界に長期的にどんな影響を与えますか。

 短期的には太陽光市場が縮小し、ローエンド製品のメーカーや小規模の企業にとって致命的な打撃となり、倒産や工場閉鎖が起こり、企業の淘汰が進みます。企業にとって厳しい状況になりますが、長期的には太陽光産業を強くすると見ています。太陽光発電事業のサプライチェーンなど、産業間の統合を加速することで、グリッドパリティの達成を早める可能性があります。

 「531ニューディール」は補助金を必要としないプロジェクトを推進しているため、今後は、こうした低コストの開発案件が残り、中国の国内太陽光市場は年間数十GWの規模で推移すると見ています。そして、それに対応できる優秀な企業に受注が集中することになるでしょう。中国市場は縮小しますが、より健全になるということです。

日本でも系統運用の問題から、2015年に「九電ショック」と呼ばれる「接続申し込みの保留」があり、太陽光市場に悲観論が広がったことがありました。中国でも急激な太陽光の導入に、電力系統が対応できなくなった面もあるのですか。

 中国でも日本と同様、系統連系の壁が問題になっています。広大な国土に分散する再生可能エネルギーを消費地に送電する系統インフラが不足しており、その整備が大きな政策課題になっています。2020年までに誰もが低コストで系統に接続できることを目指していますが、1年前倒しし、2019年には連系が比較的、容易になると期待しています。

 中国ではすでに太陽光は、最も安いエネルギー源の1つになっていることから、系統連系が安く容易になれば、需要はまだまだ広がります。無限とも言えるほどの開発用地があることから、系統問題が克服されれば、潜在的な巨大市場が顕在化します。

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