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どうなる中国の太陽光市場!?(後半)(page 2)

「補助金に頼らない太陽光ビジネスに転換へ」

2018/08/14 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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53GWから28GWに市場縮小

「531ニューディール」は短期的にどんな影響がありますか。

 すでに太陽光発電関連の製品価格が下がり始め、投資家の中には太陽光関連企業の株式を売却し始める動きも出てきました。中国のかなりの太陽光関連メーカーが新規受注を確保できないようです。一部の生産ラインを停止したり、稼働率が50%未満に落ちたり、影響の大きい企業の場合、実質的に破産しているという報告もあります。こうした事態は「531ニューディール」の出された後に起こっています。

 現在、国内の太陽光発電の需要は、こうした極端な引き締め策によるショックで第3四半期には冷え込むと見込まれており、第4四半期には改善に向かうものの、昨年よりも低調に推移すると懸念されています。

 2018年6月時点で、すでに今年の新設規模は10GWを超えたと見られていますが、政策当局は、今年の目標を最大28GWと推定しており、今後、追加的な措置などがあっても、昨年の53GWからは大きく縮小するでしょう(図1)。

図1●太陽光発電システムの年間導入量の推移(2000~2017年)(単位:MW・DC)
(出所:IEA PVPS)
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 とはいえ、「531ニューディール」が出されて1カ月経ち、太陽光市場は徐々にこれを冷静に受け止め始めています。新政策によって今後、市場の成長速度が調整されていくなか、多くの太陽光関連企業は、新しい開発モデルを模索しています。「補助金に頼らない」太陽光発電プラントの開発・運営の在り方に挑戦しています。

ここまで極端な政策変更は、民間企業にとって影響が大きく、経営的に対応し切れない面もある気がします。中国の太陽光関連企業からの反発はないのですか。

 中国の11の太陽光関連企業が、「起業家からの緊急の懇願について」という共同声明を発表しました。この声明で提案された主なポイントは以下の通りです。

(1)合法的に建設が承認された太陽光開発プロジェクトには一定の緩和期間を与える。(2)割り当て削減の規模はあまり大きくすべきではない。太陽光産業の現状を考慮し、中長期計画の立案を徹底し、厳格に施行する必要がある。(3)地方分権型の小規模な工業的および商業的な自営業者と、家庭の太陽光システムは別々に対応することが望まれる。(4)分散型太陽光発電の市場取引を促進し、太陽光産業の健全な発展を促進する。(5)買取価格など補助額の調整には、明確な時間的余裕を伴っていなければならず、産業側のコスト構造を考慮すべきである。

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