米ファースト・ソーラーは、薄膜系太陽光パネルの世界最大手であるとともに、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の開発・運営の規模でも世界トップクラスの実績を持っている。日本でも石川県で他に先駆けて直流1500V仕様でメガソーラーを設計・着工するなど、大規模な太陽光発電のシステム技術をリードしてきた。同社で、太陽光発電システム開発担当のバイス・プレジデントを務めるマヘシュ・モルジャリア氏に、太陽光の大量導入時代に求められるメガソーラーのシステム技術の方向性について聞いた。 

系統運用者にサービス提供

日本では北海道や九州地方で、太陽光発電の大量導入期に入り、その出力変動が電力系統に与える影響が危惧されています。太陽光の大量普及で先行している米カリフォルニア州では、どんな状況ですか。

モルジャリア 太陽光や風力の導入が進んだ米カリフォルニア州では、すでにISO(Independent System Operator:独立系統運用機関)に対し、系統運用の安定性と信頼性維持をサポートするサービスが普及しています。天然ガス火力などの容量を待機させておき、系統電圧や周波数の変動を抑制するように機敏に出力するなどのサービスです。

 ただ、今後、いっそう多くの大規模な太陽光発電所を電力系統に統合していくには、メガーラー自体に、「系統に優しい」機能を備えていくことが不可欠になっています。例えば、系統に無効電力を投入して電圧上昇を抑えたり、需給バランスに配慮した出力抑制、系統が瞬停した場合にも出力を維持して支える FRT(Fault Ride Through)制御などです。

 さらに進んで大規模な太陽光発電所は、火力発電所と同様に、系統の安定運用や信頼性の維持に積極的に貢献でき、将来的にそれを系統運用者に対してサービスとして提供できるようになると見ています。

ファースト・ソーラーでバイス・プレジデントを務めるマヘシュ・モルジャリア氏(撮影:清水盟貴氏)

天候による出力変動の大きい太陽光は、系統運用者から見ると、「厄介者」というのが、本音だと思います。「系統安定化に貢献できる」とはどういうことですか。

モルジャリア 例えば、太陽光や風力発電、需要などの変動で、系統の周波数が不安定になった場合、その変動を抑制する方向に系統に出力したり、系統につながった電源の出力が急低下した場合、それを補う形で即座に電源を立ち上げて需給バランスを維持する「ランピング制御」と呼ばれる機能は、従来、天然ガス火力などが担ってきました。これと同じ機能をメガソーラーのパワーコンディショナー(PCS)でも実現できることがわかってきました。