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「メガソーラーに向いたシバとカバープランツ」。緑地雑草科学研究所に聞く(第5回・後半)(page 4)

メガソーラービジネス・インタビュー

2017/05/26 05:05
金子憲治=日経BP総研 クリーンテック研究所
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日陰にも強いセントオーガスチン

――太陽光パネルを並べたアレイ周辺は日陰になることも多いため、その点は注意が必要ですね、陰でもよく育つ芝はないのですか。

長沼和夫氏
(ゾイシアンジャパン研究開発室長)

長沼 セントオーガスチングラスの特徴がまさに、「陰に強い」ことです。暖地型芝としては珍しく耐陰性が高く、日陰にも入り込んできます。従って、メガソーラーの敷地に導入すれば、太陽光パネルの下にも根付いていく可能性があります。

 工場内の敷地で建物と建物の間のうす暗いような場所に植えたことありますが、きれに根付きました(図6)。この芝は、放置すると背丈が25cm程度まで伸びますが、太陽光パネルの設置高がそれ以上に高ければ、パネルに影はできません。アレロパシーが強くほとんどの雑草を抑制しますし、西洋風の美観で見栄えにも優れます。

図6●工場裏の日陰に根付いたセントオーガスチングラス
(出所:ゾイシアンジャパン)
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 ただ、「シバにしたら、雑草が生えず放置できる」というわけではありません。植え付けて安定化するまでは、雑草に負けないように少量の除草剤が必要です。根付いてからも、ある種のマメ科の雑草が出てくるケースもあり、その場合、除去が必要です。ただ、その作業は裸地に比べれば大幅に軽減されます。

――こうした除草効果に優れ、美観もよい品種があるのに、あまり採用されなかったのはなぜですか。

伊藤(幹) 日本の場合、芝を景観用として植えたことが多かったのです。公園などで高麗芝が多用されたのは、そのためです。ゴルフ場でもフェアウエイは高麗芝で、法面は安い野芝というパターンが目立ちます。ただ、公園で高麗芝を植えてしまうと、最初はきれいなのですが、数年であっという間に草が繁茂してしまいます。いずれにせよ、日本には目的に応じて芝生の品種を選ぶ、という習慣が根付いていないのが原因と思われます。

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